[第1ステージ] 発災直後〜生命を守る
発災直後はまず、自分と自分の身の回りの人たちの生命の確保が最大の課題になります。タンスが倒れてきて子どもが重傷を負うかもしれない、隣家が倒壊して避難路が閉ざされるかもしれない……。一人ひとりがこのステージでの被災イメージを、しっかりともつことができれば、事前の対策、その後の避難行動、救命・救援活動を考えることがいかに大切であるかということについて、家族・近隣・地域で共有することができます。
また、特に大規模地震災害を前提とした場合は、普段地域で行っている典型的な防災訓練=消火活動や避難誘導訓練は、発災直後の「生命を守る」という課題に対してほとんど役立たないのが実態です。家屋の耐震補強や家具の転倒防止などの室内安全対策といった、ハード面の対策も不可欠なものとなります。しかし、一般的な防災訓練では、住民一人ひとりがリアルな被災イメージをもち、加えて室内安全対策・耐震補強にまで取り組みを広げてもらうところまで到達しません。
そこで、『日常活動編』で図上訓練の準備作業として紹介したコミュニティレベル・家庭レベルでの被害想定づくりに着目してみましょう。会社で、自宅で、「いまここで災害が発生したらどうなるか!」というリアルな被災状況をイメージすることで、普段の生活をじっくりと点検してみてください。(→『日常活動編』 「地図への書き込み」参照)
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