阪神・淡路大震災では、30〜50代の男性の3人に1人が救助活動に参加していたというデータが示しているように、近隣の住民による救出・救助が盛んに行われました。しかし、ジャッキやバール等の救出機材がなかったこと、建物倒壊の危険に常にさらされていたこと、延焼火災が迫ったことなどもあって、救助活動は困難を極めました(『神戸大学の住民の初期対応調査』-避難所の避難者1,250人へのアンケートより)。
一方で、婦人防火クラブのリーダーは、救助された住民や寝たきりの高齢者などを、近くの避難所や救護所・医療機関に運ぶ「後方搬送」をスムーズに進めていくという役割を担う可能性が高まります。適切な医療処置を一刻も早く受けることができるようにするため、搬送についても身近な資機材ですぐに対応できるよう、十分な訓練を行っておきましょう。
なお、迅速な救助活動を行うためにも、事前に地域のどこに避難支援などを必要としそうな人(高齢者などの災害時要援護者)がいるのかという情報を共有することが重要です。そのうえでさらに、いざというときの救出・搬送体制づくりを地域で進めていきましょう。(→『日常活動編』「地域防災カルテや防災地図にまとめておきたいこと」「災害弱者の情報把握と日常的なケア」参照)
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