HOME  > 防火ネットニュース7月号  > 2.第17回市町村女性(婦人)防火クラブ幹部研修会について

2014年7月

2.第17回市町村女性(婦人)防火クラブ幹部研修会について

目次 次頁

第17回市町村女性(婦人)防火クラブ幹部研修会を実施

一般財団法人 日本防火・防災協会

 平成26年6月26日(木)・27日(金)の2日間にわたり「第17回市町村女性(婦人)防火クラブ幹部研修会」を、ルポール麹町にて開催し、全国から約90名の女性防火クラブ員の方々に参加していただきました。
 この研修会は、団体相互の交流と活動内容等の情報交換を県レベルから市町村レベルにまで深く掘り下げ、災害等の有事に際し地域間組織の一層の充実・強化・連携を図り、連絡応援体制の構築を目的に行われています。

1日目
秋本会長による挨拶
秋本会長による挨拶
 (一財)日本防火・防災協会 秋本敏文 会長より、開会の挨拶をいたしました。
 「日頃からお忙しい中、それぞれの地域でクラブ員として活動してくださいますことを心より感謝申し上げます。昨年12月に国会で可決された「消防団を中核とした地域防災力の充実強化」に関する法律の中で、「女性防火クラブ」という言葉が法律の中で始めて位置付けられました。女性防火クラブの存在が法律で記述されたことで、女性防火クラブの重要性について謳われるようになってから今回が初めての幹部研修会です。
 3年前に大きな震災がありました。震災は起きた後が大変重要になります。東日本大震災では寒さの問題もありました。避難所の運営など、女性にしか気付けなかった活動があります。先日制定された法律は、そんな皆様の活動が円滑にできるよう考えながら作られておりますので、これから当協会でも、どうすれば皆様の力になれるのか検討して参ります。」

消防庁 市橋次長」
消防庁 市橋次長
『消防庁 市橋次長による挨拶』
 来賓挨拶では、総務省消防庁 市橋 保彦次長より挨拶をいただき、「女性防火クラブ員の皆様には日頃から、地域での防火思想の普及啓発、住宅用火災警報器の設置促進、更には初期消火訓練等、地域の安全安心を守るために活動していただきまして感謝を申し上げます。
 また震災等で避難所運営、炊き出し、応援など貢献をしていただいておりますこと心から敬意を表するとともに、深く感謝申し上げます」と述べられました。

室﨑氏による「地域の防災力の向上目指して」
室﨑氏による「地域の防災力の向上目指して」
『室﨑益輝氏による講演 「地域防災力の充実強化について」 』
 神戸大学名誉教授・兵庫県立大学防災教育センター長、室﨑益輝氏から「地域の防災力の向上目指して」と題し、講演を行っていただきました。
 「阪神・淡路大震災や東日本大震災などの巨大災害を経験して、地域レベルの防災の重要性が再認識され、その強化を図るために、地域の力を合わせ隣近所と協力して防災を進めていく必要性。そのためには日頃の繋がりが重要です。
 また、被害の軽減を図るために、人や情報、物資など資源の確保。組織やネットワークの体制の構築。補強や整備など環境の改善が必要です。防災では「心(使命感)、技(専門性)、体(組織性や連携性)」が欠かせません。地域の中で、専門性をもっている女性防火クラブ等が地域防災の中核として活躍することが今後益々期待されています。」

 続いて、体験発表では女性(婦人)防火クラブ員による3名の発表が行われました。

クラブ名発表者発表内容
福島県
須賀川市連合女性消防隊
増子 理恵子隊長「東日本大震災に係る須賀川市女性消防隊の活動状況等」
当時の被災状況や、災害によって感じた備蓄品の必要性や、日頃から隣近所との交流の重要性など
福井県
越前市南越女性防火クラブ
片岡 信子会長「平成16年福井豪雨における福井県女性防火クラブの活動状況」
平成16年7月18日に起きた福井豪雨の被害状況や女性防火クラブ員の活動状況について
山口県
山口市阿東婦人防火クラブ
松浦 富子副会長「山口市阿東地区豪雨災害」
平成25年7月28日に起きた豪雨災害の被害状況について
増子隊長
増子隊長
片岡会長
片岡会長
松浦副会長
松浦副会長

河合氏による講演「消防防災行事と当面の課題」
河合氏による講演「消防防災行事と当面の課題」
【総務省消防庁 防災課 地域防災室による講演「消防防災行政と当面の課題」】
 河合宏一室長より、災害対策基本法の概要や、東日本大震災による地震、津波、浸水、火災被害、緊急消防援助隊の活動状況の報告。懸念されている南海トラフ地震や首都直下地震の想定震度分布や津波高分布。そしてその対策など。また、近年多発している風水害対策等について。消防団や女性防火クラブなどの地域総合防災力の充実に向けた取り組みについてご講演いただきました。

中村講師による「避難所運営訓練」
中村講師による「避難所運営訓練」
2日目
 防災図上訓練指導員 中村敏一講師による「避難所運営訓練(HUG)」を8グループに分かれて行いました。
 HUGとは、平成19年に静岡県が開発し、大地震発生時等の避難所運営を皆で考えるため避難者の年齢や性別、国籍やそれぞれが抱える事情が書かれたカードを、避難所の体育館や教室に見立てた平面図にどれだけ適切に配置できるか、また避難所で起こる様々な出来事にどう対応していくかを模擬体験するゲームです。

HUG風景(1)
HUG風景(1)
HUG風景(2)
HUG風景(2)

 参加者は卓上の見取り図にカードを並べ、避難者に対する対応や要援護者、ペット、トイレの問題等にグループで話し合いながら避難所運営訓練を進めていました。
 その後、訓練の結果や質疑応答が行われました。

 (公財)日本消防協会 柴垣謙 事務局長兼年金共済部長より婦人福祉共済等の事業説明が行われた後、当協会佐野忠史 理事長による閉会の挨拶では、「全国の女性防火クラブの数、約9,500団体、クラブ員数は140万人といわれております。世界を見渡しても女性によるこのようなボランティア活動団体、これだけの規模で行われている国は類を見ないと思われます。皆様方にはこれからも地域における防火防災活動。更に応急手当の普及、避難所での運営や生活支援など活動の手を広げていただきまして地域防災力の向上に一層大きな役割を果たしていただきたいと思っております。」と述べました。
 その後、佐野理事長より代表者へ修了証を授与し、2日間の研修会を終了しました。

佐野理事長から修了証授与
佐野理事長から修了証授与
全国から約90名が参加
全国から約90名が参加

このページの上に戻る

目次