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2015年11月

1.ガス機器による火災及びガス事故の防止

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総務省消防庁 予防課

 都市ガスやプロパンガスは、取扱いを誤ると火災や爆発などの大きな事故につながります。また、不完全燃焼による一酸化炭素中毒事故も恐ろしいものです。そこで、次の点に注意し、ガスによる火災や事故を防ぎましょう。
 なお、消防庁ホームページでも「こんろ火災の恐怖とその対処方法」についての映像資料がご覧いただけます。
 http://www.fdma.go.jp/html/life/yobou_contents/materials/

ガス機器の正しい取付け

  • ① ガスこんろやガスストーブを柱や壁に近づけて使用すると、壁面等を熱に強い材料で覆っていても、内部の木材が炭化して、低温でも発火することがあります。柱や壁などから間隔を取って使用してください。
  • ② ガス漏れを防ぐため、ゴムホース等は器具との接続部分をホースバンド等で締め付けるとともに、適正な長さで取り付け、ひび割れ等の劣化がないか時々点検してください。

ガス機器の正しい取扱い

  • ① ガス機器を点火したときは、必ず火がついたか確かめてください。
  • ② ガスこんろで揚げ物等をしている際の火災が多く発生しています。揚げ物等をする際にはその場を離れず、またどうしても離れる場合は短時間でもこんろの火を必ず消して下さい。
  • ③ 煮炊き等をする際も、鍋を火にかけたら目を離さないようにし、煮こぼれ等による炎の立ち消えや空焚き等がないように注意してください。
  • ④ こんろの周囲は整理・整頓に努め、可燃物等に着火しないように注意してください。
  • ⑤ 煮こぼれ等によるガスバーナーの目詰まりは不完全燃焼を起こし、有毒な一酸化炭素中毒の原因にもなります。日頃から適度な清掃に努めてください。

十分な換気

  • ① ガスが燃焼するには、多量の新鮮な空気を必要とします。空気が不足すると不完全燃焼を起こし、有毒な一酸化炭素が発生しますので、換気扇を回す、窓を開けるなど換気に心がけましょう。
  • ② ガス風呂釜や大型湯沸器等の排気筒が外れていたり、物が詰まった状態で使用すると排気が不十分になり不完全燃焼が起きることがあります。異常を感じたら、直ちに排気筒が正常な状態にあるか点検してください。

ガス漏れに気づいた時の注意点
 ガス漏れ等の異常に気付いた時は、ガスの元栓を閉め、窓を開けて空気の入れ換えをしてください。また、その際、換気扇、電灯等のスイッチやコンセントプラグには触れないでください。火花が発生し、爆発を起こす危険があります。

地震が発生した時の注意

  • ① ガス機器を使用中に地震が発生した際は、火を消し、ガスの元栓を閉めてください。使用中のガス機器に近づけないような大きな地震の際は、まず身の安全を図り、揺れがおさまった後で対処してください。使用していたこんろ、湯沸器等は確実に消火してください。
  • ② プロパンガスボンベを使用している場合は、必ず屋外の風通しのよい日陰に設置し、地震等で転倒しないよう鎖等で固定してください。
天ぷら油加熱防止機能
天ぷら油加熱防止機能

安全装置付ガス機器の使用

  • ① ガス栓の不完全な閉止、炎の立ち消え、機器の老朽化等によって起きる事故を防ぐため、ヒューズコック、マイコンメーター等の安全装置やガス警報器を設置し、噴きこぼれなどで火が消えた際に自動的にガスが止まる「立ち消え安全機能」や油の温度が上がりすぎる前に自動的にガスが止まる「天ぷら油過熱防止機能」等の安全機能がついたガス機器を使用することが有効です。
  • ② 暖房器具には、地震時や誤って倒した時に自動的に消火する「対震自動消火機能」の他に、ファンヒーターの消し忘れによる長時間運転時に自動的に消火する「消し忘れ自動消火機能」等がついているものがあります。ガスによる火災・事故を防ぐため、これらのガス機器を積極的に使用することが有効です。

住宅用火災・ガス・CO警報機
住宅用火災・ガス・CO警報機
住宅用火災・ガス・CO警報器の設置
 ガス機器による火災や事故を総合的に防止するためには、ガス漏れと一酸化炭素の発生を検知する、ガス・CO警報器に、熱又は煙感知機能が加わった住宅用火災・ガス・CO警報器を設置することが有効です。








(総務省消防庁「消防の動き 2015年10月号より)

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