平成27年12月1日(火)・2日(水)の2日間にわたり「平成27年度全国自主防災組織リーダー研修会」を、ルポール麹町にて開催し、全国から約90名の自主防災組織リーダーの方々に参加していただきました。
この研修会は、「消防団を中核とした地域防災力の充実強化に関する法律」が定められたことを機に、その趣旨を実現すべく、全国の自主防災組織リーダーの皆さんが一同に会し、組織運営の実態・課題について意見交換する場を設ける等の目的で開催されました。
この研修会を開催することによって、より一層自主防災組織の防災に関する意識を高め、自発的な防災活動への参加促進や活動の活性化が図られ、自主防災組織の発展につながるものと考えています。
第1日目
秋本会長による挨拶 (一財)日本防火・防災協会 秋本 敏文 会長より、開会の挨拶をいたしました。
「本日はお忙しい中ご参加いただきまして、誠にありがとうございます。
この研修会を開催するきっかけとなったのが、一昨年12月に「消防団を中核とした地域防災力の充実強化に関する法律」という新しい法律が成立したことでした。この法律の中には「自主防災組織の方々、女性防火クラブの方々などが一緒になって地域を守ろう」というようなことも記載されています。「自分達の地域を守ろう」と中央で言っていても意味がありません。県単位でもない。町単位で守らなければなりません。防災の原点は地域です。地域の状況に応じた対応の仕方を考えていかなければならない。これと同時に、いざ災害が起きてからの行動を日頃から皆で相談、準備、訓練をしておかなければならない。
これら地域の中心になっている方が今回もお集まりいただきましたので、是非全国に仲間を作り、そして情報交換をして、自分達の地域に役立てていただけたらと思います。」など述べました。
『消防庁 佐々木長官による挨拶』
佐々木消防庁長官による挨拶 来賓挨拶では、総務省消防庁 佐々木 敦朗 長官より挨拶をいただきました。
「日本は自然的な特性から様々な災害が毎年起きています。いつどこで起こるかわからない災害に備えていくためには、地域において中心的な役割を果たしている、本日お見えの自主防災組織を初めとする皆さん方が重要な役割を担っていただいていると思います。
今年は阪神淡路大震災から20年。多くの建物が倒壊し、その下敷きになった方が非常に多かった。その下敷きになった方々を一番早く助け出す活動をしたのが、近隣の皆さん方や自主防災組織や消防団。こういった事がきっかけで自主防災組織の強化ということに繋がりました。それから昨年長野北部の地震。消防の手が足りない中、地域住民や自主防災組織などの方々が1軒1軒高齢者の方々を回り、1人も犠牲者が出なかったという見事な活動をされました。
消防庁も、様々な事業を通じて、気を盛り上げるような活動をしております。地域防災に向けて私どもも一緒になって頑張っていきたいと思っております。この2日間の研修会で得たものを是非地元でも広めていただきますようお願い申しあげます。」
『日野氏による講演 「地域の防災力を高める」』
日野氏による講演 Blog防災・危機管理トレーニング主宰(消防大学校客員教授)、日野 宗門 氏より「地域の防災力を高める」と題し、講演を行っていただきました。
阪神淡路大震災の発生の瞬間映像や、その混乱の中、自然発生した防災リーダーの活動の様子。東日本大震災時の津波避難映像を通して、どのような行動を地域住民は行ったのか。どうすればよかったのか。地震発生後に起きる火災に対し、どのように行動をすれば自分の身を守ることが出来るのかなど、過去のデータを踏まえ、講演をしていただきました。
『活動発表』
東京都新小岩北地区連合町会、新小岩北地区ゼロメートル市街地協議会理事 中川 栄久 氏
荒川河川地域に面する新小岩北地区が行う水災害に備えた地域住民の取組みや、避難要援護者を円滑に地域住民が救護できるための対策などについて。
大分県佐伯市 宮野浦むらの覚悟委員会 事務局 増井 光也 氏
東日本大震災において、津波により甚大な被害が漁村に起きたことをきっかけに、同じ漁業の盛んな宮野浦地区が行う、大地震・大津波に備えた取り組みについて。
中川氏
増井氏
小冨士氏による講演『総務省消防庁 予防課 国際規格対策官による講演「住民防火対策にかかる最近の取り組み等」』
小冨士氏より、過去の住宅防火の発生事例や、現在までの状況。また、住宅火災における年齢階層別死者数では、高齢者が圧倒的に多いことから、ストーブやコンロの火災対策、防炎製品やエアゾール式簡易消火具の普及対策。全国の住宅用火災警報器(住警器)設置率の状況や住警器の電池切れ確認方法等について講演を行っていただきました。
木村氏による講演『総務省消防庁 国民保護・防災部 地域防災室 室長による講演「自主防災組織と地域防災力の充実強化」』
木村氏より、全国の自主防災組織の現況や、活動内容。地域住民が一体となって活動している地域を挙げ、自主防災組織の重要性や、学校教育の大切さについて。
また、自主防災組織に関する諸制度の解説や、消防庁が行っている自主防災組織のための手引き、教育訓練の制度。「防災まちづくり大賞」等について講演を行っていただきました。
第2日目
『グループ討議』
4つのグループに分かれてグループ討議を行い、各自主防災組織の活動内容や問題点など討議しました。
その後、各代表者による発表を行いました。
グループ討議の様子(1)
グループ討議の様子(2)
『研修会修了』
閉会の挨拶では、佐野理事長より今回の研修会参加ご出席のお礼と、修了証の授与を行い、2日間の研修会を終了が修了しました。
佐野理事長から修了証授与
全国から約90名が参加