平成29年11月21日(火)・22日(水)の2日間、「平成29年度全国自主防災組織リーダー研修会」を、ルポール麹町にて開催し、全国から約100名の自主防災組織リーダーの方々が参加しました。
この研修会は、「消防団を中核とした地域防災力の充実強化に関する法律」が定められたことを機に、その趣旨を実現すべく、全国の自主防災組織リーダーの皆さんが一同に会し、組織運営の実態・課題について意見交換する場を設ける等の目的で開催しました。
この研修会を開催することによって、より一層自主防災組織の意識を高め、活動への参加促進や活性化が図られ、自主防災組織の発展につながるものと考えています。
第1日目
(一財)日本防火・防災協会 秋本敏文会長より、開会の挨拶をいたしました。
「『消防団を中核とした地域防災力の充実強化に関する法律』が成立し、地域防災力を強化しなければならないというのがこの法律の大きな柱となっています。災害はいつどこで起こるか分かりません。住民の生活をどう守っていくか、そのためには地域の皆さんの体制が重要であると考えています。今回はせっかく全国からリーダーの方々が集まっていただきましたので、情報交換をして、自分達の地域に役立てていただきたいと思います。」など述べました。
秋本会長による開会の挨拶
全国から100名近くの自主防災リーダーが参加
『消防庁 稲山長官による挨拶』
稲山消防庁長官による挨拶
来賓挨拶では、総務省消防庁 稲山博司長官より挨拶をいただきました。
「今年も7月に九州北部豪雨という大きな災害がありました。近年、全国どこでも災害が起こりうる環境になってきていると感じます。消防庁としても緊急援助隊をいち早く派遣できるよう準備をしておりますが、それでも時間が掛かります。消防団をはじめ、自主防災組織の皆様のお力が必要であり、皆様の活動が日本の防災の要となっていくと思っております。そして、我が国は少子高齢化が進み地域社会が変わってきております。消防庁としても自主防災組織活性化のために地域の連携を支援するモデル事業や、優れた地域防災の取組を表彰する施策も行っております。引き続き、地域防災力の充実強化のために皆様のご協力を賜ればと思っております。」
増田氏による講演『増田氏による講演 「地域の防災力を高める―お互い様を大切に―」 』
東京大学公共政策大学院 客員教授 野村総合研究所 顧問 増田博也氏より「地域の防災力を高める」と題し、講演を行っていただきました。
地方から大都市圏へ転出する若者が後を絶たず、地方活性化のためには、地方企業を知る機会を作ったり、人材やその土地の資源や伝統を発信する情報力が不可欠である、また、防災力は地域力の一丁目一番地で、土の人、風の人、多様な住民の参画が重要である、など述べられました。
『活動発表』
熊本県熊本市 隈庄校区第15町内舞原自主防災クラブ 防災委員 川本収三 氏
昨年発生した熊本地震の体験や、避難所運営の苦労、5年前から地域の絆づくりの為に様々な地域全体で催し物を行ったことで、地震発生後の安否確認がスムーズに進んだことを紹介。
東京都昭島市 昭島市自治会連合会 会長 宮田次朗 氏
阪神淡路大震災をきっかけに自治会を発足。周辺地域の自治会や管理組合、商店街も併せたコミュニティ協議会を発足し、イベントや防災訓練を実施。防災用品を備えた倉庫を各棟に設置したり、防災マニュアルを作成、配布するなどの施策を紹介。
川本氏
宮田氏
天利氏による講演
『総務省消防庁 国民保護・防災部 地域防災室 室長による講演「地域防災力の充実強化への取り組み」』
天利和紀室長より、全国の自主防災組織の現況や、活動内容。地域住民が一体となって活動している地域を挙げ、自主防災組織の重要性や、学校教育の大切さについて。
また、自主防災組織に関する諸制度の解説や、自主防災組織のための手引き、教育訓練の制度、および「防災まちづくり大賞」等について講演を行っていただきました。
第2日目
『グループ討議』
5つのグループに分かれてグループ討議を行い、各自主防災組織の活動内容や問題点など討議しました。
その後、各代表者による発表を行いました。
グループ討議の様子(1)
グループ討議の様子(2)
『研修会修了』
各グループの代表者から発表が終わると、秋本会長より修了証を授与しました。
最後に、西藤理事長より今回の研修会参加のお礼と、自主防災組織の益々のご活躍を期待する旨挨拶を申し上げ、2日間の研修会を終了いたしました。
秋本会長から修了証授与
西藤理事長による閉会の挨拶