横田 消防庁長官
年頭の辞
令和3年の新春を迎えるに当たり、全国の消防関係者の皆様に謹んで年頭の御挨拶を申し上げます。皆様方には、平素から消防防災活動や消防関係団体業務などに御尽力いただいており、心から敬意を表し、深く感謝申し上げます。
また、新型コロナウイルスが感染拡大する中、救急隊員をはじめ消防職団員の皆様には、感染の危険を顧みず最前線で御尽力をいただき、重ねて感謝申し上げます。
昨年は、7月豪雨や台風による自然災害に見舞われ、多くの方々が犠牲になりました。
お亡くなりになられた方々の御冥福をお祈りするとともに、被災された方々に心からお見舞い申し上げます。
災害現場においては、被災地の消防本部や地元消防団はもとより、被災状況により県内消防応援隊や緊急消防援助隊も総力を挙げて救急・救助活動等に当たっていただき、多くの人命を救助していただきました。改めて皆さんの御活躍・御尽力に敬意を表しますとともに、心から御礼申し上げます。
年々激しさを増す風水害や、今後発生が危惧される首都直下地震、南海トラフ地震の大規模災害に備え、消防庁では、国民の皆様が引き続き安心して暮らせるように、緊急消防援助隊及び常備消防力の充実強化をはじめ、地域防災力の中核となる消防団及び自主防災組織等の更なる充実強化、火災予防対策の推進、消防防災分野における女性の活躍促進、防災情報の伝達体制の整備など、消防防災行政の一層の推進に取り組んでまいります。とりわけ、消防団員の処遇改善については、団員の報酬や出動手当の額の引上げを要請するとともに、検討会を立ち上げ、精力的に取り組んでまいります。
また、消防防災分野におけるデジタル化・スマート化を進め、大規模災害時における情報収集の効率化や各種手続きの電子化を図ることで、自治体の消防防災業務の合理化・効率化及び国民の皆様の各種申請の簡素化を推し進めてまいります。
昨年は、新型コロナウイルス感染拡大の影響により2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会が延期となりましたが、本年の開催に向けて安心・安全対策に引き続き取り組み、消防・救急体制を万全に整えてまいります。皆様方におかれましては、国民が安心して暮らせる安全な地域づくりとそれを支える我が国の消防防災・危機管理体制の更なる発展のため、より一層の御支援と御協力を賜りますようお願い申し上げます。
結びに、皆様の益々の御健勝と御発展を祈念いたしまして、年頭の挨拶とさせていただきます。