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5-1 避難誘導訓練の意義



地震や噴火のみならず、洪水・土砂崩れ、近所の家で起こった火災の延焼、工場の大規模火災と爆発、原子力事故など、様々な場面で避難誘導の必要性が考えられます。

しかし、災害の種類と被害状況、地域特性によって、避難誘導も変わります。臨機応変な対応も求められるでしょう。たとえば、地震が起こった際は、まず消火作業に徹する必要があります。延焼の危険性が無く、住宅も倒壊の危険がなければ避難する必要は無いかもしれません。前もって避難勧告が出た場合は、火事が出ないようブレーカーを落とすこと、ガスの元栓を閉めることを呼びかけながら、高齢者などの避難介助の準備などもしなければなりません。

いずれにせよ、避難経路や避難場所等が日頃から周知されていて、住民間の協力体制が維持されている場合には、必要に応じた避難行動ののち、避難所においても協調的な避難生活をスタートすることが可能です。

婦人防火クラブのリーダーは、自主防災組織の役員などと連携し、いざというときでも住民の気持ちを落ち着かせながらスムーズに避難できるよう、訓練に取り組みましょう。

避難誘導の際には、避難場所の把握はもちろん、複数の避難経路の確保、危険箇所の把握が欠かせません。高齢者や障害者など災害時要援護者の方がどこに住んでいるのか、といった情報の把握・整理も含めて、地域の実情に合わせた有効な訓練を行えるように工夫しましょう。

なお、都市部における大規模災害時には交通機関が麻痺し、自宅から遠距離に通う通勤・通学者、買い物客など、すぐに帰宅できない状態となってしまう「帰宅困難者」が大量に発生することも考えられます。地域内で帰宅困難者がたくさん出て対応が必要になることもあるでしょうし、自分や家族が帰宅困難者となってしまうことも十分考えられます。この問題についても、家族や地域で話し合ってみてください。(→『日常活動編』「防災カルテ・防災地図の作製と防災点検」「地域防災カルテや防災地図にまとめておきたいこと」「防災巡視・点検のポイント」「防災マップと各種地図との統合」参照)