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2007年8月

3.第10回 市町村婦人(女性)防火クラブ幹部研修会

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(財)日本防火協会会長 片山虎之助
 「第10回市町村婦人(女性)防火クラブ幹部研修会」が、 平成19年8月6日(月)・7日(火)の2日間、ホテルルポー ル麹町において開催されました。
 この研修会は、団体相互の交流と活動内容等の情報交換 などを行うことにより有事に際して地域間組織の一層の充 実・強化・連携を図り、連絡応援態勢の構築を目的に行わ れております。
 1日目は先ず、(財)日本防火協会 片山虎之助会長による 開会挨拶が行われ、「『災害は、忘れた頃にやってく る。』どころか、この頃は、『忘れないうちにやって来 る。』ようで、改めて、日頃の備えの大切さを痛感させら れました。大災害に立ち向かう『ご近所の底力』、中でも皆さんは、地域に根ざして活動する婦人防 火クラブのリーダーの方々ですから、災害に強い地域づくりに一層邁進して頂きたいものです。」と 挨拶を述べました。

総務省消防庁長官 荒木慶司
 次いで、総務省消防庁 荒木慶司長官より、ご挨拶と「婦 人防火クラブへの期待」と題してのご講演をいただきまし た。
 その中で、住宅用火災警報器の設置、家具の転倒防止対 策、地域での連携強化の婦人防火クラブへの3つのお願い、 また、災害時要援護者に配慮した地域づくりへの期待が述 べられました。




早稲田大学文学学術院副院長
浦野正樹
 その後、早稲田大学文学学術院 浦野正樹副院長より 「ハリケーン『カトリーヌ』被災現場から学ぶ」のご講演 をいただきました。
 アメリカを取り巻く災害状況と災害研究事情、2001年9 月11日のワールドトレードセンターへのテロにおいて、大統領は「テロリズムに対する闘い」との 表現を用い、ハリケーン「カトリーヌ」の際もCNNのキャスターが同様の表現で「戦場のようだ」 と表現していたことから、テロリズムへの戦いにみる戦略と国内格差の現状が語られました。
 また、ハリケーン・カテリーナの衝撃とニューオリンズ の被災状況について、ニューオリンズの地域、住民の避難 事情等もふまえて説明され、また、緊急・応急対応の延滞 と混乱について、ニューオリンズ市の対応と避難計画の脆 弱さ、治安維持と秩序回復を目的とした被災地区対策とジ ャーナリズムの対応などを例にとって述べられました。
 最後に、復旧・復興に向けての歩み、特に壊滅的な打撃 を受けた東部沼地の新興開発住宅地域の将来像、長期にわ たる避難過程と地域に拠点をつくれない地域復興への歩み について述べられ、被災現場から何を学ぶべきかを語られ ました。海外の災害状況を知ることにより、災害の際にど う活動すべきかを学びましたと、参加の皆様より多くの拍手をいただきました。
 休憩をはさみ、婦人(女性)防火クラブ会長(隊長)3名による体験発表が行われました。
 始めに、輪島市女性防火クラブ連合会深見女性消防隊 松井弘子隊長から「能登半島地震体験と女 性消防隊の対応」と題して、ご自身も被災者である松井隊長による能登半島地震の直後の様子や被害 状況についての発表が行われました。
 次いで、宮城県松島町婦人防火クラブ 秋保きみよ会長から「住宅用火災警報器・共同購入体験」 について、見附市太田町女性防火クラブ(さくらクラブ) 大滝良子会長による「災害から学んだこ と」の発表が行われました。

務省消防庁国民保護・防災部
防災課長金谷裕弘
 体験発表後、総務省消防庁 金谷裕弘 国民保護・防災部 防災課長により「安心・安全な地域づくりにむけて」のご 講演をいただきました。
 日本の災害概況として、近年の災害別死者数の状況、発 生が懸念される主な大規模地震の説明がなされ、それらの 災害に対して、被災地と消防応援市町村・都道府県及び国 (消防庁)の効果的な連携体制の確立等の消防庁の取組が 述べられました。
 また、自助・共助として、大規模災害に備えた住民によ る防災活動、自主防災組織の活性化のための方策、災害ボ ランティア活動を円滑にするための事例などが紹介されま した。
 最後に、家庭での地震対策として、家具の転倒防止、非常持ち出し品の準備、家庭の防災会議の必 要性について述べられました。
 夜は参加者による交換会が行われました。総務省消防庁荒木長官もかけつけ、ご挨拶を頂戴し、片 山会長も同席され、各都道府県間での交流が盛大に行われました。
 2日目は、総務省消防庁予防課 地下調国際規格対策官による講演「住宅用火災警報器の設置促進と 婦人防火クラブへの期待」が行われ、最近の住宅火災の状況から、住宅用火災警報器の設置の重要 性、また、婦人防火クラブに対して、共同購入の促進、地域で協力して適切な維持管理を実現、適切 な機器選択を期待しますと述べられました。
 共同購入事例(金沢市、京都市)、住宅用火災警報器の不適正販売防止について、住宅用火災警報 器の設置場所についての説明もなされ、今後の住宅用火災警報器の設置促進の為にと、熱心に講演内 容を書きとめる方の姿が多く見受けられました。(こちらの講演資料につきましては下記をご覧下さ い)
「住宅用火災警報器の設置促進と婦人防火クラブへの期待」(PDF)
 続いて、各4グループに分かれワークショップが行われました。
 ワークショップでは、共通テーマである「住宅用火災警報器普及啓発活動をめぐる諸問題につい て」が話し合われました。特に、住宅用火災警報器の共同購入について、普及啓発活動と婦人防火ク ラブの役割、設置が促進されない事情とその対応、住宅用火災警報器維持管理と婦人防火クラブの役 割等についての議論が交わされました。

 グループ別テーマでは、第1グループ(宮城県・栃木県・新潟県・神奈川県・山梨県・奈良県・広 島県・高知県・宮崎県・大分県・山口県・鳥取県)により「婦人防火クラブ活動と資金調達の工夫に ついて」

 第2グループ(岩手県・茨城県・東京都・福井県・愛知県・兵庫県・岡山県・愛媛県・福岡県・熊 本県) により、「幼少年防火クラブの指導と防火・防災訓練における連携方策について」

 第3グループ(青森県・福島県・千葉県・石川県・静岡県・大阪府・島根県・香川県・長崎県・沖 縄県)により「自主防災組織と婦人防火クラブのあり方について」

 第4グループ(北海道・山形県・埼玉県・群馬県・富山県・岐阜県・滋賀県・京都府・和歌山県・ 徳島県・佐賀県・鹿児島県)により、「女性消防団と婦人防火クラブのあり方について」の4つのテ ーマについて、活発な意見が交わされました。
 ワークショップ終了後、各グループごとに課題討議発表・質疑応答が行われました。
 次いで、(財)日本防火協会 秋本敏文理事長による挨拶が行われ、その中で「皆さん方の活動に対 する評価が高まっております。住宅用火災警報器の普及には皆さん方の力が必要です。また、これか ら、地域においての防災力をどう高めるかが重要になってきています。火を消すだけでなく、地震な どの時にも対応できる総合的な力を地域全体として持つ、それを目標として活動していっていただき たい。」と述べました。
 最後に修了式がとり行われました。大分県佐賀関婦人防火クラブ 滝川智代美会長による修了証の 代表受領が行われ、盛況のうちに第10回市町村婦人(女性)防火クラブ幹部研修会は閉会となりまし た。


輪島市女性防火クラブ連合会
深見女性消防隊長 松井弘子

宮城県松島町婦人防火クラブ会長
秋保きみよ

見附市太田町女性防火クラブ会長
(さくらクラブ) 大滝良子

総務省消防庁予防課
国際規格対策官 地下調

ワークショップ(第1グループ)

ワークショップ(第2グループ)

ワークショップ(第3グループ)

ワークショップ(第4グループ)

課題討議発表(第1グループ)

課題討議発表(第2グループ)

課題討議発表(第3グループ)

課題討議発表(第4グループ)

(財)日本防火協会理事長 秋本敏文

(財)日本防火協会常務理事 益本圭太郎

修了証代表受領

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