今年3月25日に発生した、まさかの「能登半島地震」は、
能登地区を中心に甚大な被害をもたらしました。そして今、
ようやく平静さを取り戻しつつも家族の迎えを待つ、高齢者
たちの避難生活はまだまだ続いています。全国の皆様方より
多大なご支援をいただき、誌面をお借りして、御礼申し上げ
ます。
私の住む加賀市は、石川県の最南端に位置し、西にある荒
波寄せる日本海と美しい緑の松並が織りなす海岸線は、越前
加賀海岸国定公園に指定されています。また、東には霊峰白
山を仰ぎ、自然豊かな山川が連なっています。
石川県女性防火クラブ連絡協議会は、その傘下に270組織、1万992名を擁し、私の所属する加賀
市女性防火クラブは19組織、1,286名のクラブ員がいます。主な活動としては「文化財防火デー」
における火災制御訓練の参加や、一人暮し高齢者宅の防火訪問、春・秋の火災予防運動期間中におけ
る、街頭防火広報、そして夜間には広報車で「火の用心」を呼びかけています。これらに加えて、最
近は一般住宅への設置が義務付けられた住宅用火災警報器の設置普及活動を行っています。
火災予防活動を行っている中で私が一番大切に思っている行事は、保育園児への防火指導です。園
児たちは、つぶらな目でクラブ員の手作りのパネルシアター、紙芝居、それに防火オリジナル寸劇な
どを食い入るように見てくれます。また、園児に大人気の腹話術人形「消防のショウちゃん」を登場
させて、園児たちと3つの約束をします。1つ、マッチやライターで遊ばない。2つ、ストーブの周
りではふざけない。3つ、お父さん、お母さん、おじいちゃん、おばあちゃん、それに先生の言われ
ることをよく聞き、約束を守ります。
このところ、子どもの犯罪が驚くほど多くなってきており、ごく普通の家庭の子どもたちが耳を疑
うほどの事件を起こしております。家庭や学校における心の教育「人には優しくする」という“しつ
け”がうまくいっているのかどうか、顧みなければならないのではと思います。「三つ子の魂百まで
も」という諺がありますが、幼いときの教えは、ずっとずっと忘れずに頭の中に残っています。防火
クラブを結成して27年、これからも一丸となって、私たちの小さな活動が少しでも防火・防犯の担
い手になればと、頑張ってまいる所存です。
(「消防防災/2007-21・夏季号」より転載)