8月30日(木)から9月5日(水)までの「防災週間」の期間中、首都直下地震及び東海地震を想定して、総合防災訓練が実施されました。
「防災の日」の9月1日(土)には、各地で大規模な防災訓練が行われ、新潟県中越沖地震や石川県能登半島地震などの災害が相次ぐ中、参加人数は37都道府県で計約63万人にのぼりました。大きな地震の直前に予想震度を出す気象庁の「緊急地震速報」の提供開始を1カ月後に控え、この日の各地の訓練にも組み込まれました。
政府は東海地震を想定し、首相官邸や静岡県などを会場に大規模な総合防災訓練を実施し、新潟県中越沖地震での原子力発電所の被害を踏まえ、原子力安全保安院も初めて参加しました。
訓練では、気象庁長官からの地震予知情報を受けて、臨時閣議が開かれ、警戒宣言と地震災害警戒本部が設置されました。その後の安倍晋三内閣総理大臣の記者会見で警戒宣言を周知するとともに国民に向けて政府の今後の取組みを発表しました。
安倍総理は記者会見で「被害が予想される地域の皆様は警戒態勢をとり、関係機関の指示に従って落ち着いて行動して下さい。津波などの危険がある地域では自治体の指示に従って避難して下さい。」と呼びかけました。
引き続いて、直ちに全官僚による地震災害警戒本部会議を開催し、静岡県の石川嘉延知事と安倍総理でテレビ会議による情報交換が行われました。
9月1日(土)「防災の日」に、さいたま市桜区の県営秋ケ瀬公園にて「第28回八都県市合同防災訓練」が行われました。
訓練は、首都圏直下型でさいたま市を震源とするマグニチュード6.9の地震が発生、同市は震度6強以上の揺れに襲われ、全域で家屋の倒壊・火災などの被害が出た、との想定で行われ、地元住民ら約6,000人が参加しての訓練となりました。
午前11時会場内に轟音が鳴り響き地震が発生との想定で、
ヘリコプターやオートバイによる情報収集から始まり、さいたま市少年消防団らによるバケツリレーや消火器等を使った初期消火訓練を実施しました。
また、荒川を利用した3つのルートを、道路の渋滞などで自宅に戻れなくなった人が船で帰るとの想定で屋形船を使った訓練も行われました。さいたま市を徒歩で出発した参加者は、隣接する埼玉県戸田市の荒川で屋形船や国土交通省河川事務所の船に乗り込みました。首都圏直下地震による帰宅困難者は約650万人と見込まれ、この帰宅困難者対策訓練の参加者は真剣な表情で訓練に挑みました。倒壊家屋での訓練では、自主防災組織の市民らが「誰かいますか」と声を掛けながら、被災者を救 出する訓練を繰り広げました。高層ビルを想定した訓練として、県のほか千葉、神奈川各県のヘリコプターが次々に現れ、ロープを使って被災者を救出する訓練も行われました。
訓練終了後、相川宗一さいたま市長は「災害時に市民の協力は不可欠で、人命救助に自主防災組織の活躍は心強く感じました。普段から地震の備えを強化して被害が少なくなるよう努力を」と呼び掛けました。
また、訓練に先立ち、さいたま市大宮区の三橋小学校では、避難場所夜間運営訓練を実施しました。市民ら約190人が参加し、8月31日(金)午後3時から住民主体の運営委員会主導で炊き出しや宿泊などを行いました。
JR大宮駅西口の大型店舗では、東海地震注意情報が発表されたことを想定して混乱防止などの訓練なども行われました。