平成19年8月6日(月)・7日(火)の2日間、ホテルルポール麹町において開催されました「第10
回市町村婦人(女性)防火クラブ幹部研修会」にて行われました体験発表ならびに、ワークショップに
て4グループに分かれて行われた課題討議のまとめにつきまして、参加者の皆様よりご希望をいただ
きましたので、下記にて掲載いたします。
輪島市女性防火クラブ連合会深見女性消防隊隊長
松井 弘子
私は、3月25日能登半島地震のありました石川県輪島市門前町深見、戸数33戸で三方を山に囲ま
れ目の前は海と、自然豊かで静かな集落から来ました。
深見女性防火クラブの松井です、どうぞ宜しくお願いします。
私達の集落は猿山岬灯台の近くにあり、全国でもめずらしい野生の雪割草の群生地として知られ、
穏やかな日曜日の朝、深見地区でも市主催の雪割草祭りの2日目を迎え、ピンク、白、紫の可憐な花
を見ようと大勢の人で賑やかになる予定でした。
夫は集会所の展示会に出かけ、私は台所で後片付けの洗い物をしていると、午前9時42分突然ゴー
という音とともに、下から強く突き上げるような衝撃と同時に左右に大きく体が揺れ、床に投げ出さ
れました。
家が大きく揺れ、台所の棚の物が落ちシンクの引き出しが開き、これは何、これは何、と頭の中は
まっ白になりながら自分で自分に言っていました。
「地震だー!逃げなければ家の下敷きになる」とっさに思い、這うように外に出た私は向かいの家
の屋根瓦がガラガラと大きな音とともに屋根雪が落ちるがごとく滑り落ちるのを目のあたりにし、強
いショックを覚えました。
地面が揺れる中、体を支えながら畑の中を走り、声のする方へ行きました。
皆の顔は青ざめ、信じられない事が起きたことを口々に言い、皆の無事を確認し合いました。火を
使ってなかったが「ガスは」と言いながら、目の前が海なので誰とはなしに「津波が来るかもしれな
い。早く安全な高い所へ避難しよう」と声をかけ合い、小高い所へ逃げました。
小高い所から見た我が家は棟瓦が大きくねじれ、大きな余震の後に激しい音とともに下へ落ちてい
くのが見え、涙が止まりませんでした。
春休み中だったので小さな子供を連れて爺ちゃん婆ちゃんの所へ遊びに来ていた人達もいて、小さ
な子供たちは泣き叫び、お年寄りの中には「早く死んでいたらこんな怖い目に遭わずにすんだのに。
長生きしたばかりに」と泣いていた人もいました。
津波が来ないとの情報で地区の集会所へ皆で向かう途中、集会所の道路は大きな地割れがパクリと
口をあけ、ブロック塀は倒れ、家々の土蔵の壁は落ち、柱がむき出しのずさんな状態でした。
集会所に集まると町に出る海岸道路が大きな土砂崩れで道をふさがれ、山道も寸断され深見地区は
孤立した事が分かり、港橋から見る道路は崖くずれによる落石、大木、土砂で道を乗り越え、海まで
達し、海は茶色になっていました。
電話線は切断され、携帯電話も使えず、情報は何も分からず、誰かが持っていたラジオに皆でかわ
るがわる耳を当て、この沖がマグニチュード6.9の震源地だと分かったのです。
孤立した事が分かり、私達が区長さんの指示で炊き出しをする事になりましたが、集落の真ん中を
流れる川は雨も降ってないのに泥水、5ヶ所ある井戸も濁り、土砂が盛り上がり綺麗な水は一滴も有
りません。
「これは駄目だ、薬を飲むにも水がない、町まで水をもらいに行こう」
交通手段は船だけです。
漁師さんが船を出し、私 ともう1人の人と雨合羽に身を包み、ポリタンクを積み、海路にて20分か
け、隣集落の鹿磯漁港に着き、トラックを借りて水を探しに行きました。
途中での普段見慣れた風景は目を疑うばかりで、家は大きく傾き、また は地面にペシャンコになっ
ている家、道路は大きく盛り上がっていると思えば大きく地割れして、車で道を選びながらやっとの
思いで隣町の近くで綺麗な水が出ているという事を聞いて、そこで水を汲み、鹿磯港に着いたのは午
後3時頃でした。
港に着くと、深 見は危険だから全員避難命令が出ているから港で皆の来るのを待つ様に言われ、辺
りが薄暗くなり始めた4時半頃大敷の作業船で約65名の人達が寒さと疲れた顔で船から降りてきまし
た。
最 後の1人が降りてきましたが、私の夫がいません。「うちのお父さん知りませんか」と聞くと、
村に区長をはじめ16名が残り、夫も犬とともに残った事を聞かされ、私も2台目の車に乗り、避難所
になっている小学校の体育館に向かいました。体育館では、深見の奧の集落戸数7件の六郎木地区の
人達15名が先に避難所に着いており、お互いの無事を喜び合いました。
次々と親、兄弟、親戚の安否を心配して町内外からも駆け付けて避難所 は大勢の人でごったがえし
ていました。
最初の夜は 寒さと何回となく起こる余震、不安、心配、高ぶる神経で、ただ、体を横たえているだ
けでした。
2日目から 隣集落の鹿磯地区集会所が低い所にあり、津波が来ると大変危険だというので鹿磯地区
の住人150名も避難所に入り、毛布も不足がちで皆で重なり合うようにして寝ました。
高齢者が多い所ですので体の弱い人や、1人暮らしの人達を子供さんが心配して1人、 2人と自分達
の所に引き取りに来るようになりました。
「すぐに家に戻れるよ、それまでお互い に元気でね」見送る人も見送られる人も涙の別れでした。
小学校の体育館も入学式が間近になってきたので、私達、深見地区の住人は3月30日、少し離れた
阿岸公民館に移り、公民館の広い場所に深見地区集落の人達全員1ヶ所に集まり、1ヶ月の共同生活
が始まりました。
そこで、私達女 性消防隊員が中心となり、仮設トイレの掃除、ゴミの分別、ゴミ出し、朝のお茶沸
かし、食後の後片付け、朝、昼、夜の食事の時のテーブル出し、終わった後の後片付け等、当番が当
たった日には朝からエプロンをかけて三角頭巾をし、張り切って皆で体を動かしました。
その事か分かりませんが、後で聞いた話ですと、保健婦さんの間では「阿岸公民館は、よそとは違
うね。綺麗でスッキリしている」と聞き、他の避難所ではノロウィルスが流行し、入院をした人もい
たのですが、私達の所は軽く、入院患者はゼロでした。
ここでの1ヶ月の生活で、良い天気の日には山道を片道 40~50分かけ、木の根を踏みながらデコ
ボコ道を上がったり下がったりして、家の後片付けに通いました。
最初は、家の中の倒れた品物を起こし、割れた食器棚の後片付け 、電力会社が危険防止のため電源
を切ってしまったので、冷蔵庫、冷凍庫の中身の始末に追われ、山道から通う期間は、ほぼ1ヶ月近
く続きました。
ただ、何をす るでもなしに家にいるだけで皆さんストレス解消になったみたいです。
車を持っていない人達もお互いに相乗りして通いました。
いよいよ仮設住宅も完成し、阿岸公民館を4月30日に出る朝 、お世話になった館長さんにお礼を言
っている間、涙が出て言葉になりませんでした。他の皆さんも同じようでした。
それから仮設住宅に荷物を運び、整理してから入居し、仮設住宅における自分 達の生活が始まりま
した。
集落 に通じる海岸道路も時間制限で通れるようになり、現在は朝、昼、晩の30分の通行が出きる
ので工事の邪魔にならないように自宅に帰り、農業、漁業などしながら家の修理等、皆さんそれぞれ
の仕事に追われています。
市の職員から、12月中に は帰れると聞き、住み慣れた我が家に帰れる日を楽しみに待っていま
す。
地震直後における消防署、自衛隊、ボランティアほか全国の皆様の励ましや義援金など、どれだけ
励まされ、勇気付けられたか分かりません。この場をお借りしてお礼を申し上げます。有り難うござ
いました。
これから私達は、「がんばろう能登」を合い言葉に皆で励まし合い、1日でも早い復興を願い、暑
い夏にも負けずに頑張っていきます。有り難うございました。
宮城県松島町婦人防火クラブ会長
秋保 きみよ
平成16年6月の消防法の改正により、ベルの音や人の声で火災発生を知らせる「火災警報器」の設
置が義務付けられました。
新築住宅には平成18年6月1日から、既存住宅には平成20年6月1日からという事で、私達婦人防火
クラブ、地域住民の研修や会議の際に、消防本部あるいは消防署の方に義務化に至った経緯、必要性
を説明していただきました。普及啓発活動では、婦人防火クラブの「茶の間から茶の間へ」のクチコ
ミ運動が最適なのではと言う事でした。(女性特有の井戸端会議、おしゃべりタイムにうまくのっか
ればと思ったのか?)私達には設置義務は1人1人の認識のもとにやればいいのかと思い、さほど必
要性も感じず危機感もありませんでした。
ところがわが町で3月のある未明に火事が発生したのです。全焼でした。そして悲しくも痛ましい
焼死者が2人も出てしまったのです。
火事に気付いたお母さんが1人1人家族の確認をしながら助け出し、最後に残ったお父さんを助け
出そうと火の中に入り、玄関で力尽きて倒れていたと聞きました。もし、火災警報器がついていれば
と悔やまれます。
何らかのかたちで火災の発生を知らせてくれる火災警報器がついていれば逃げる事が出来たはずと
思うと、改めて火災警報器の必要性を感じました。
この事例をもとに、この様な悲しい事故をなくそうと私たち婦人防火クラブの平成18年度の重点
目標に「火災警報器」の普及啓発活動を目標に掲げたのです。
義務といっても取り付けにはお金がかかります。そこで数社の業者から見積りを取り、より安く長
持ちをするものを選んで1社にしぼり込み、さらに100円でも安くしていただくよう掛け合いまし
た。その上で平成18年度から平成20年6月1日までの3ヶ年計画をたてました。
家計に負担にならない様、今年はまず各家庭1個から始め、平成20年6月1日までに必要な個数を
取り付けましょうと言う事にしました。なお、2年目、3年目は目標1,000個とし、さっそく啓発活
動開始です。啓発活動には、各地区の婦人防火クラブの役員が中心となり、各戸をまわり説明し理解
を得て推進いたしました。約1ヶ月の間の活動で814個の火災警報器取り付けていただくことができ
ました。取り付けにあたっては、地区の行政連絡員に手伝っていただいたり、1人暮らしの高齢者宅
がある地区では、自治会長に必要性を説明し、予算をつけていただきました。そして、民生委員と共
に取り付けをする事もできました。
啓蒙活動の苦労話や取り付けた安堵感に話がはずんでいる中、もう警報器が作動したとの報告が入
りました。「え、どうしたの」というと、煮物をしながらちょっと、と思って外に出てしまったそう
です。警報器の音にびっくりして家の中に入ると煙が充満し、なべは真っ黒だったそうです。警報器
のおかげで火事には至らなかったと!まずはひと安心。
今年はじめて1年目ですが1人1人の命を守るため、目標達成に向かって地道にがんばっていきたい
と思います。
見附市太田町女性防火クラブ(さくらクラブ)
会長 大滝 良子
皆さんこんにちは。新潟県見附市から参加いたしました太田町女性防火クラブ、通称さくらクラブ
といいます。会長の大滝です。よろしくお願いします。
新潟県はこの3年間の間に、水害、地震と3度の大きな災害に見舞われました。その際に全国の皆
様からボランティア、義援金、温かい励ましをいただきまして本当にありがとうございました。この
場を借りましてお礼申し上げます。
私たちの防火クラブは災害を経験したことで結成しましたので、今日はその経緯などをお話させて
いただきたいと思います。
私たちの住む見附市は、新潟県の地図を開いた時にちょうど中心地となることから新潟県のど真ん
中、または「新潟県のへそ」と市ではPRしています。三尺玉花火の打ち上げで有名な長岡大花火大
会が開催される長岡市の北側に隣接します。平成の合併では、隣接する市町村との合併に加わらず、
単独で自律の道を選択した人口43,000人の小さな市です。
このような見附市は、平成16年7月13日、大きな災害に襲われました。7.13新潟豪雨災害です。
前日の12日21時から13日の24時までの27時間に322㎜の降雨がありました。よく言いますが、本
当にバケツをひっくり返したような雨でした。この記録的な集中豪雨により、市内を流れる中小河川
は増水を続け、これら河川が流れ込む市内中央部を流れる刈谷田川はもうすぐ越水という状態になり
ました。こうした中、13日の13時頃、私の住む太田町を流れる刈谷田川支流の稚児清水川の破堤等
が起因となり、本流の刈谷田川が破堤し、瞬く間に濁流が市街地の住宅地に流れ込み家屋の浸水被害
が広がりました。この結果、見附市では家屋の床上浸水等3,833棟、家等に取り残された人などの救
助人員953名となる被害を受けましたが、市ではいち早く避難勧告が出されたことで、大きな人的被
害がなかったことは不幸中の幸いでした。
私の住む地域は、市の最も東側で長岡市との境にあります。田畑が広がる山あり川ありの純農村地
帯で、古くから地域の連帯意識は強いところです。
当日は、私も仕事に出ていましたが、あまりに強い雨が降り続くため、子どもや家のことが心配で
早く帰ろうとしましたが、道路はどこも冠水して不通となりました。橋がどこも通行止めになって、
家に帰れず職場で1泊しました。
小学校はお昼の給食が届かず、近所のおばあちゃんたちがおにぎりを作って届けてくださいまし
た。少し水が引いてから、家に居るおじいちゃん、おばあちゃんたちが子供を迎えに行ってくれた
り、迎えに行けない家の子を一緒に連れて帰ってくださいました。
中学校は地域から少し離れた所にあります。当時、中学生だった上の娘は給食の後、家族等が迎え
に来ていた人は帰ってもよいとのことで、友達の家の車で送ってもらうことになりました。ところ
が、途中で道路の水がどんどん増えて、とても家まで帰ることができず、学校が避難所となっていた
ので戻ることにしたそうです。車はもう動かすことができず、学校に向かって歩いていると、見る見
る腰の辺りまで水に浸かり、流されそうになりながらも、やっとのことで学校までたどり着いたのだ
そうです。「今まで生きてきて、初めて死ぬかと思った。」と、後で娘から聞きました。
学校は避難所でしたので、帰らなかった生徒や先生は残っていましたし、学校周辺の住民が避難し
ていました。しかし、その後、学校周辺に濁流が流れ込み、1階は水に浸かり、周囲も孤立してしま
いました。娘はびしょびしょのままで着替えはありません。また、学校は陸の孤島と化し、夕食が届
いたのは深夜になってからだったそうですが、そのおにぎりやパンがことのほか美味しかったそうで
す。
私の実家も床上30cmほど浸水しました。畳や家具も浮き上がり泥だらけです。その町内はほとん
どの家が床上浸水でした。それこそ近所で食べ物はあるか、どこから片付けようかとお互いに思いや
り、気持ちのつながりがあったそうです。
私たちの地域では、子供を持つ親の多くは仕事に出ています。このときの地域の絆と思いやりに
は、感謝の気持ちでいっぱいでした。有事の際は協力し、助け合うことの大切さをこの災害から学び
ました。そこから、地域の中で自分たちが出来ることをやっていこうと、子供会を母体として、平成
17年6月に防火クラブを結成しました。
16名という少人数ですが、日中は家に いないことが多い私たちに出来ること、家庭の防火、そし
て地域との連携強化、防災の呼びかけ、そういったところから始めて行こうと思いました。
地震の時も、今までの災害の報道を見たりしていたためか、避難するときにとりあえず、 毛布、ラ
ジオ、懐中電灯などを我ながら落ち着いて持ち出すことが出来たかなと思いました。
小学校では地震の後、授業中に余震があったそうです。先生が黒板に向かっていた 時に大きな揺れ
があり、先生が「みんな、机の下に!」と振り向いた時にはすでに誰もいなかった・・・。実際に体
験していますから、さすが子供たち、行動は早いものです。日頃から避難訓練や防災の知識、心がけ
があると、いざというときに大きな違いが出てくると思います。
今までに女性防火クラブの活動として、救急講習会、防炎物品 の燃焼実験や地域の防災訓練で炊き
出し等を行ってきました。今後は住宅用火災警報器の普及促進のため、消防本部と連携して活動して
行きたいと思っています。
今の日本は、どこでどん な災害が発生するか分かりません。常に防火・防災の心がけを発信してい
ければいいなと思います。
第1グループ
(宮城県・栃木県・新潟県・神奈川県・山梨県・奈良県・広島県・高知県・宮崎県・大分県・山口
県・鳥取県)
第1グループ課題「婦人防火クラブ活動と資金調達の工夫について」
第1グループは、「婦人防火クラブ活動と資金調達の工夫について」ということで皆さんと話し合
いを行いました。
まず、資金調達には苦労しております。また、行政の助成で余裕のところもあります。苦労してい
るところはバザーやフェスティバル、消火器の販売手数料などで、その活動をしております。また、
組織が未完成なところもあるようです。
次に住宅用火災警報器に関しては、設置期限にも余裕があり、認識がうすいところがあります。そ
の消防局により、取り組み方が違うのか、かなり進んでいる所もあります。
また、訪問販売での被害が出ているところもありました。取り組みを急いでいるところです。皆さ
んのお話を聞いて参考になり、共同購入にしっかり取り組んでいこうと思っております。
また、救急救護の講習会やAEDの講習会などもこれからは防火クラブの方も進んでやっていかな
ければならない課題かと思っております。
防火は火災が起きないように、ということで、皆さんが気配り目配りをしていらっしゃいます。こ
れからも防火クラブの皆さんが日本中の女性の方と共に、日本から我が町から我が家から火災を出さ
ないということをモットーに励んでいきたいと思います。
第2グループ
(岩手県・茨 城県・東京都・福井県・愛知県・兵庫県・岡山県・愛媛県・福岡県・熊本県)
第2グループ課題「幼少年防火クラブの指導と防火・防災訓練における連携方策について」
住宅用火災警報器の共同購入啓発について、平成16年度より活動しているクラブの意見として
は、年に4回のチラシ配布が効果的とのことです。また、高齢者の1人暮らしの家に参りまして、
119番を正確にかけられるように指導もしているそうです。
また、煙感知器のチラシ配布を行い、500戸以上が購入さ れたとのことです。1戸で10個購入され
た方もおられたということです。
そして老人会でお話をすると、 反応が高いようです。警報器の必要性、命の大切さ、NSマークの
付いた警報器を買って下さい、と呼びかけ、消防団、地域の自治体、公民館の方々等と協力して行う
ということでした。
また、警報器は平 成23年までに取り付けたらいいということで、急ぐ必要はないのじゃないかと
おっしゃる方もたくさんおられました。何故必要かというと、他人に迷惑をかけない、人の命に関わ
るという意識の向上という点からです。
警報器を売る場合はどのようにしてい るかという点については、チラシを回して自治体と消防団と
話し合って計画を立てて行う、また、消防署の方々にチラシを作っていただいて、それを回すという
方法もあります。
また、不信感を もたれないように法被を着たり、目印になるようなものを着ていくと相手は安心す
るのではないかという意見もでました。
「幼少年防火クラブの指導と防火・防 災訓練における連携方策について」ですが、学校の運動会に
怪我人を搬送する訓練をした、天ぷらの消火の訓練をしたり、学校で毎朝、安心安全について放送し
ている活動もありました。また、この活動に対して、子供や孫と一緒に活動しているクラブもありま
した。
文化祭では分団の人達と消火器を使って、訓練体験をさせたというところもありました。また、消
防演習の時に子供達が法被を着て、全町民の前で防火宣言を行い、例えば「お父さん、寝たばこはや
めましょうね。」「おじいさん、たき火はやめようね。」「お母さん、ガスの元栓締めてね。」など
呼びかけるといった活動も行われています。幼少年防火クラブの組織をこれからも大事に育てていき
たいと考えています。
第3グループ
(青森県・福 島県・千葉県・石川県・静岡県・大阪府・島根県・香川県・長崎県・沖縄県)
第3グループ課題「自主防災組織と婦人防火クラブのあり方について」
先程のワークショップの中で、私達、第3グループで全体的に感じましたのは、ばらつきといいま
すか、何年もかかって地道にしっかりやられてこられて、住宅用火災警報器への取り組みにすぐに切
り替えても取り組める地域と、これからどうしたら良いか分からない、まして消防とのコミュニケー
ションがしっかり取れていない地域との差を感じました。
住宅用火災警報器に関しましては、日本防火協会から助 成金をいただきまして、取り組んでいる地
域と差がありますので、話としては、ばらつきがありますがその中でいくつかお話させていただきま
す。
まず、長崎県の活動として、業者の一覧表の名前をピックアップして掌握し、値段なども全部交渉
されたとの事です。そしてまた、施設のいろいろな協会、予防課、自治会、シルバーセンター、独り
暮らしなどの活動全てを掌握し、パンフレットやガイドラインを作りながら取り組んでいるとのこと
です。
そしてまた、千葉県の活動として、成田市などの大きな市をかかえておられる中、市にしっかり呼
びかけて、65歳以上の独居老人にはすべて無料で取り付けているというお話がありました。
それには、やはりPRが行き届いており、のぼり旗や警報器のDVDも活用しながら、ティッシュ配
りや、様々なサークル活動に飛び込んでは「DVDを見て下さい。15分ですから見て下さい。」とア
ピールされているそうです。積極的に会長自らが動いていることが伺えました。また、イベントの会場でもしっかりアピールしています、ということでした。
もうひとつ、この千葉県の活動の中で感じたことは、今までは婦人防火クラブという名前だったそ
うですが、それを今度は女性という名前に変えて、防災のすべてを自分達で取り組んでいこうという
決意から、「女性防災クラブ」に名称を変更したそうです。それにより、行政からも助成金をいただ
くというバイタリティのある会長の活動でしたが、そのような考えで取り組んでいるということで
す。
また、NHKでも紹介していた雨だれを1回タンクに貯めて、それを植木への水まきなどに使うなど
の活動に市から助成金が出る地域もありました。ゴミ処理の問題にも助成金が出るそうです。そうい
う活動にしっかり助成金が出る、また、ブロック塀が地震の時に倒れると危ないから、垣根に変えた
場合にも助成金を出るといった、非常に進んでいる市もありました。
このような行政の取り組みに婦人防火クラブはどうしたら良いのか 。「私達が住宅用火災警報器を
取り付けます。推進しますから助成金を下さい。」と訴えています、というお話でした。
それから、石川県の活動事例で、観光地で100件ほどの所帯の小さな地域があり、50年前に非常
に大きな火事があったそうです。
観光地だから商店街などが密集しているのですが、それを教訓にして、絶対に大きな火事を出さな
い、商店街から町から火事を出さない、隣の家には我が家から絶対に迷惑をかけない、という理由で
100軒全部に住宅用火災警報器を取り付けられたそうです。
それから、サブテーマである「自主防災と婦人防火クラブのあり方について」についてですが、こ
こでは全国どこでも一緒かと思いますが、高齢化が問題となっています。若い方が入ってくれないの
で、おばあちゃんばかりになってしまったという所がたくさんあるのです。わが地域もそうです。
70,80歳の元気なおばあちゃんばかりですけれども、若い方々をどうやって集めたらいいのかという
ことで本当にいろいろな意見がでました。
幼年消防クラブのある保育所に子供を入 れているお母さんは、直接防火クラブに入らなければいけ
ないとしている所もあります。しかし、幼年消防クラブに入っている保育園児は何年かすると卒業し
ます。卒業と同時に、自主解散になってしまう事が多いので、そうではなく、その方々も含め、何年
も自主的に真面目に取り組まれている方々は別のグループを立ち上げて、両方のグループでやってい
る地域もありました。
そして、また、お年 寄りの多い地域では元気で「自分の命は自分で守ろう」「我が地域から火事は
絶対に出さない」という70・80歳になっても防災意識の強いおばあちゃん達を婦人防火クラブとは
別の組織として、防災活動を行っている地域もありました。そのような取り組みはあって然るべきだ
と思っていますし、私達、婦人防火クラブは絶対に地域になくてはならない、一番要の組織かと思っ
ています。そういう強い意志でしっかりと活動に取り組まなければと決意しております。
第4グループ
(北海道・山 形県・埼玉県・群馬県・富山県・岐阜県・滋賀県・京都府・和歌山県・徳島県・佐賀
県・鹿児島県)
第4グループ課題 「女性消防団と婦人防火クラブのあり方について」
第4グループは各共通の課題から入りますが、まず、人口400人の住む沖の島では、車が通らない
のと小規模なので1番に自治会を始め、各関係の協力をもらい、業者を通して、独居老人を含め、す
べての世帯に住宅用火災警報器を取り付けることができました、とのことです。それと同時に交渉し
て、警報器を安く取り付けると消防団との話が付いたそうです。価格や形、消火の音も全部調べて販
売することにしたので、行政の方も女性防火クラブが販売することを認めてくれました、とのことで
した。それから、防火設置のあるところで研修をしてから取り組みますという地域もありました。
また、独居老人との関わりですが、行政との関わりに問題があるのではないかという意見もでま し
た。これは、本当に自分達の身の回りで起きていることです。
取り付けは業者の方にお願いすることができますが、独居老 人との関わりという問題があります。
民生委員や消防の方と一緒に行かないと家の中に入ることができない、このために民生委員や消防団
といった各団体と一緒に行かなければならない、この枠を外していただきたいと考えています。婦人
防火クラブ員だけの時でも、家の中に入れるようにしてもらえたらと感じております。
広報活動としては、皆さんの持っている法被や婦人防火クラブの名前の付いた洋服を着ながら、ス
ーパーの前などで行われる様々な催しなどで活動しています。でも、その広報活動をするには、やは
り予算が必要になります。その予算をどうしたら取れるのかということに話が集中したようですが、
私は自分達が積極的にやろうとすると、予算はどこからか出てくるものだと思います。
それから、自分達の活動は労力、体が資源です。それを元に頑張ろうという意見もで ました。本当
に嬉しい意見を聞けたように思います。
それと各県地域で、組織の違いが様々 な部分で出てきました。それはもっともだと思います。北海
道と鹿児島の言葉が違うように活動は違います。活動にも違いがあって当然だと思います。
それと、チラシとして新聞に折り込みを入れたけれどもあまり反響がない、これでは広報 活動がで
きないのできません。そこでまず、司法にチラシを入れさせてもらうのが一番肝心なのではないか、
という体験談もありました。
それと、自治体が婦人防火 クラブを知らないといけないかと思いますので、もう少し広報をしなけ
れば、という地域もありました。地域によっては、全戸数に広報のチラシを配布するという方法をと
っているところもあるようです。
それと、私が一番ショックを受 けたのが、何年か経ったら安くなるのでは?安くなるのを待ってま
す、と考えている方が多いということです。そのうちに火が出たらどっちが安くつくの?と今日笑っ
たところですが、そういうとらえ方をしている方も多いようです。
それから、悪徳業者が入ってくることも考えられます。でも、その時には地域にある有線や無線を
利用して、皆さん方で広報活動すると防げるのではないかと考えています。
それと合併問題ですが、合併すると、それぞれの地域で考え方が違ってきます。意見の食い違いを
防ぐためにも話し合いの場を持つ必要があるかと思っています。
それから、設置後の対処ということですが、また設置していない人が多いのです。設置後の対処と
いうのは設置後2~3年してから様々な問題も出てくるかと思いますので、その時に考えても良いの
ではないかという結論になりました。
それから、私達、第4グループの課題 「女性消防団と婦人防火クラブのあり方について」ですが、
まだ、女性消防団と婦人防火クラブの差が見えてこないのです。
私の地域は田舎ですから、まだ女性消防団は1組しかありません。でも、都会の方で女性消防団と
して、一生懸命やっているその地域での状況が分かりませんので、ここではクラブのあり方というの
が本当は見えてきませんが、婦人防火クラブとしての組織はすでにできあがっていると思います。県
組織、地域組織単位で組織されているので大丈夫ではないかと思います。
それと、婦人会、即女性消防クラブ・婦人防火クラブ、これらで婦人会 の考えと消防クラブ・婦人
防火クラブの考えが入り交じるとおかしくなる地域もあると思います。これらの考えを少し変えた方
がいいかと感じたところです。
最後に、婦人防火クラブは地 域密着型で我が家から火を出さないことが目標です。この目標を忘れ
ずにこれからも活動を促進していこうと思っています。