平成19年9月1日(土)防災の日に、約27万人が「連携」の強化を図る「平成19年度静岡県総合防
災訓練」が、県内全域で繰り広げられました。
今年度は、駿河湾から遠州灘を震源域とするマグニチュード8.0の地震が発生し、県内各地は震度
6弱以上となり、県下全域に大きな被害が発生したとの想定で訓練が行われました。
伊豆市では、修善寺、中伊豆、天城、土肥の市内4地区に地域メイン会場を設け、県や市、防災関
係機関、自主防災組織、病院・福祉施設などの関係者計約3,700人が参加し、地域特性に応じた多会
場分散型の防災訓練が実施されました。
石川県能登半島地震や新潟県中越沖地震など、災害が相次ぐ中での訓練であり、会場型訓練の舞台
地・伊豆市は4町合併で誕生した、海と山を抱える県内有数の観光地でもあることから観光客の安全
確保と同時に、高齢化が進む地域として災害弱者対策も課題となりました。
いかに孤立を防ぎ、スムーズに外からの支援を受け入れるかを主眼とする一方、気象庁が10月1日
から提供を始める「緊急地震速報」の試験放送も盛り込まれ、4地区の自主防災組織の住民が集まる
会場全体には、大きな揺れの前に予測震度などを知らせる緊急地震速報も流されました。
また、今回は3年ぶりに政府と連携し、安倍晋三内閣総理大臣を中心とした政府調査団も現地入り
して訓練の模様を見守りました。
視界不良のため、ヘリコプターの運航が一部の訓練で中止となりましたが、東海地震観測情報の発
表から警戒宣言発令、1日経過後の地震発生、というシナリオに沿って行われ、当日は注意情報、予
知情報が発表され、訓練が本格的に動き出しました。
午前8時半、警戒宣言の発令とともに、県庁に地震災害警戒本部が設置され、石川嘉延知事が
「国、県、市町は県民の生命を守るために全力を尽くしていきます。ラジオ、テレビなどを通じてお
伝えする情報に注意し、冷静、的確な行動をとって下さい」と県民に呼び掛けました。
電気、水道などライフラインの断絶を想定した給水・炊き出し、医療救護といった共通の内容に加
え、観光市街地の修善寺会場では観光客の避難誘導・域外輸送や高層建築物からの救出救助、山間部
の中伊豆、天城会場では空中消火、がけ崩れからの救出など、それぞれの地域特性に即した訓練を展
開しました。
一方、海岸部の土肥会場では、津波漂流者・漂着者の救出、観光客の避難誘導・域外海上輸送とい
った実践的な訓練とともに、政府調査団の受け入れ対応を点検し、地震発生直後の災害応急対策まで
の県と市町の防災計画などの実効性が確認されました。
訓練の閉会式で、安倍総理は「決してこの訓練は無駄にはなりません。いかに実際に起こるであろ
う状況に慣れておく。様々な出来事に対してどう対応すべきかあらかじめいろいろと予測していて、
その対応を何回も繰り返していくことが大切だろうと思います。」と訓練の講評をするとともに、参
加者の労苦をねぎらいました。
消防部隊による転落車両からの
救出訓練(修善寺会場)
住民によるバケツリレー(天城会場)
岸壁から観光客を輸送する訓練(土肥会場)
政府調査団団長(内閣総理大臣)閉会式挨拶