平成20年7月3日(木)・4日(金)の2日間にわたり、「第11回市町村婦人(女性)防火クラブ幹部研修会」がホテルルポール麹町にて開催され、全国から94名が参加しました。
この研修会は、団体相互の交流と活動内容等の情報交換を県レベルから市町村レベルにまで深く掘り下げ、災害等の有事に際し地域間組織の一層の充実・強化・連携を図り、連絡応援体制の構築を目的に行われています。
挨拶をする片山会長 初日は、(財)日本防火協会片山虎之助会長の挨拶で始まり、片山会長は「今年も半分が過ぎましたが、大変災害が多い年です。海外ではサイクロンによるミャンマーの水害、中国・四川大地震。日本では岩手・宮城内陸地震が発生、消防協力隊と呼ばれている婦人防火クラブの皆さんが、『共助』の精神で地震直後から被災地域の様々な場面で活躍されました」と挨拶しました。
総務省消防庁 国民保護・防災部長
岡山淳氏の講演
展示品を披露し講演する坂本先生
続いて、総務省消防庁国民保護・防災部長 岡山淳氏よりご挨拶と「婦人(女性)防火クラブへの期待」と題してご講演が行われました。次に当協会のメールマガジンに執筆頂きましたサカモトキッチンスタジオ 坂本廣子先生から「食べることから防災を考える」のご講演が行われました。坂本先生は「日常にある普段何げなく使っているものが、防災用品として代替することができます。①携帯カイロ②缶ペットボトル③ビニール袋(大・小)④新聞紙⑤マスク⑥手袋⑦歯ブラシ⑧ウェットティッシュ⑨キッチンはさみ⑩レトルト食品を例に挙げました。日頃、何でも出来る時に訓練をしていれば、その訓練が体験となり非常時に活かされることがあります。しかし何でも出来る時に何もしない人は、非常時には全く何も出来ません。自分の無力さを痛感してからでは遅い」と述べられ、阪神・淡路大震災の被災経験者として説得力のある講演でした。
体験発表では、婦人(女性)防火クラブ会長並びに会員による3名の発表が行われました。
体験発表する吉田会長
クラブ名 |
発表者 |
発表内容 |
福井市社西女性防火クラブ |
吉田澄子会長 |
寸劇による住宅用火災警報器の普及啓発活動について |
東久留米防火女性の会 |
梅本富士子会長 |
住宅用火災警報器共同購入について |
玄界島婦人自衛消防隊防火クラブ |
松田咲子さん |
玄界島地震災害について |
被災体験を発表する松田さん
体験発表する梅本会長
ダニエル・カールさんの講演 体験発表終了後、テレビ、講演などで活躍され、流暢な山形弁を話す姿が印象的なタレントのダニエル・カールさんより「オラが大好きな日本」のご講演が行われました。「アメリカのカルフォルニアとほぼ面積が同じ日本は、バラエティー(Variety)を持っている所が良い点で、もっとPRをして下さい」と、楽しい話題と巧みな話術に、会場は参加した皆さんから笑いが絶えないとても賑やかな講演となりました。
2日目は(財)日本消防協会 柴垣事務局長の婦人福祉共済等の事業説明で始まり、続いて当協会の益本常務理事による講演「防火・防災活動について」が行われ、①防火の柱「火の用心」「住宅用火災警報器の設置」「防炎製品の使用」②住宅用火災警報器の共同購入③防炎製品について④災害発生時の声掛け運動の4点について説明をしました。続いてワークショップとして4グループに分かれて課題討議が行われた後、当協会梅次事務局長が日本防火協会の事業内容について説明をしました。
午後から、課題討議の結果発表と質疑応答が行われました。各グループとも様々な意見や活動状況・地域独自の取り組みが発表され、真剣に議論をした結果がひしひしと伝わってくると同時に、与えられた時間だけではとても足らない雰囲気でした。
一部の地域で、義務化が始まっている住宅用火災警報器の普及に粘り強く取り組み、女性の特性を活かしながら地域の住民の安全を守る役割を担い、積極的に防火を中心とした活動をすると纏められました。
秋本理事長から修了証授与 日本防火協会 秋本敏文理事長から挨拶があり、「発災時+発災直後+発災後=総合防災力として捉え、生活者の生活再建をも視野に入れた対策が今後必要です。これからは地域の女性組織として住警器普及と同時に、火事だけでなく地震・水害等の災害や独居老人への声掛け等により、普段の防火活動が新しい防火活動の展開に繋がるのではないかと期待しております」と述べました。
研修の最後に、参加者全員に秋本理事長から修了証を授与され、2日間の研修を終了しました。