鳥取県では、「平成20年度自主防災組織リーダー研修会」を財団法人日本防火協会、鳥取県及び鳥取市との共催により10月25日(土)、26日(日)の2日間の日程で開催しました。この研修会は、地域の防災活動指導者として、防災に関する知識を修得し、地域の防災活動の活性化を推進するとともに、参加者同士の関係を築き、今後情報交換などの協力・連携関係の構築を図るために開催し、82名(延べ人数)が参加しました。
自主防災組織は災害時のみならず平時においても、地域の安全安心を確保し、地域の防災力を向上させる役割を担っており、地域コミュニティの基礎としての側面でも期待を集めています。
講義の様子講義の様子
1日目は、財団法人日本防火協会 水村課長補佐及び鳥取県法橋防災監の挨拶をいただいた後、放送大学鳥取学習センター 西田所長を講師に招き、「地震災害対策」と題した講演から研修が始まりました。
西田所長には、地震の仕組み、鳥取大地震や鳥取県西部地震、また、地震に対する家庭や地域で行う日ごろの備えについてわかりやすくご紹介いただき、参加者は熱心に聞いていました。
図上訓練(DIG) 午後からは、鳥取市 田中危機管理課長による鳥取市の災害時要援護者の取組みを発表していただいた後、三重大学大学院工学研究科災害対策プロジェクト室 川口准教授を講師にお招きし、「地域で進める災害時要援護者対策」と題した講演をいただきました。三重を取り巻く現状や三重県の自主防災組織が取り組んでいる状況をご紹介いただき、川口准教授の助言等により地域全体で行った防災活動の事例等、記録写真を交えながら語っていただいたお話は、参加者にとって、地域の防災力を高めるには何が大切かなど、今後の防災を考えていくうえで非常に参考になるものでした。
図上訓練(DIG)の検討結果発表 2日目は、鳥取県健康政策課 石田参事による「新型インフルエンザについて」をご講演いただき、参加者は、新型インフルエンザは身近に起こりうる脅威の一つとして備えの必要性を実感しました。その後、鳥取大学工学部 檜谷教授を講師にお招きし、「豪雨災害と防災対策」と題し、過去の水害事例、ハザードマップや気象情報等防災情報の活用についてお話いただき、参加者は興味をもって聞いていました。
図上訓練(DIG)
午後は8班に分かれ、鳥取県危機管理チーム訓練担当及び鳥取市危機管理課職員等をファシリテーターとして図上訓練(DIG)の方法を学びました。前半は鳥取市内の地図を用いて、その地域の風水害や土砂災害、また、その対策について班ごとに検討し、後半は検討結果を発表してもらいました。図上訓練(DIG)においては、参加者のみならず、ファシリテーターとなった県や市の職員においても今後防災活動を指導する参考となる内容となりました。
最後に、修了証が財団法人日本防火協会 佐藤主幹から代表者に手渡された後、同氏より今回の研修を終えての講評をいただき、鳥取市 田中危機管理課長による挨拶により2日間の研修を終えました。
今回の研修後に行ったアンケート結果では、受講者の97%(回答数 61)が「大変役に立った」「ある程度役に立った」と回答しており、より多くの県民に自主防災に対する関心を持っていただけと考えております。また、研修に参加された皆さんには、研修会で学んでいただいたことを今後のそれぞれの地域の自主防災活動に活かしていただき、地域防災力の向上に取り組んでいただくことを期待しています。