地震が発生したときに起こる火災が地震そのものによる被害を何倍にも大きくすることは過去の事例からも明らかです。平成7年1月17日に発生した阪神・淡路大震災での出火原因としては、電気ストーブや配線などの電気関係、ガスストーブやガスコンロなどのガス機器関係、また石油ストーブなどが主なものとして挙げられています。
初期消火
突然、大きな揺れに襲われたときは、まず自分の身の安全を守ることが大切です。あわてて行動すると、転倒した家具、飛び散ったガラスや陶器の破片で怪我をする恐れがあります。丈夫な机の下に身をかくしたり、家具から離れるなどして自分の身の安全を守り、揺れが収まったらすぐに火の始末をしましょう。揺れている時に無理をして火を消しに行くと、調理器具が落ちてきてやけどをする危険があります。
万が一、周りのものに火が付いてしまっても、初期のうちは消火器などで十分に消すことができます。速やかに消火するとともに、大声で隣近所に助けを求めることも大切です。
電気火災を防ぐ
地震では停電することがありますが、復旧したときに転倒した電気器具が作動して出火する通電火災に注意する必要があります。避難などで家を空けるときは、電気のブレーカーを切り、電気器具はコンセントから抜いておきましょう。
また、ブレーカーを戻す際は、転倒したままの電気器具がないか、ガス漏れがないかなど安全を確認しましょう。
ガス漏れを防ぐ
最近、地震による大きな揺れを感知して自動的にガスの供給を遮断するマイコンメーターの設置が進んでいますが、念のため元栓を閉めてガス漏れを防ぎましょう。
また、プロパンガスを使っているところでは、ボンベをチェーンで固定するなど転倒防止を行い、普段からの対策に努めましょう。
石油ストーブの対処
最近の石油ストーブは対震自動消火装置が付いているので危険性は少なくなりましたが、過信は禁物です。必ず火が消えたことを確認しましょう。また、石油ストーブの周りに燃えやすい物を置くことは火災につながります。普段から使用上の注意を守りましょう。
(総務省消防庁「消防の動き 2012年11月号」より)