HOME  > 防火ネットニュース3月号  > 3. 林野火災を防ごう!~全国山火事予防運動~-総務省消防庁

2023年3月

3. 林野火災を防ごう!~全国山火事予防運動~-総務省消防庁

目次次頁次頁
総務省消防庁 予防課特殊災害室

林野火災の月別出火件数(令和3年中)
1 林野火災の発生状況及び注意点

 令和3年中の林野火災の出火件数は、1,227件(対前年比12件減)で、下図に示すとおり2月から4月までの間に751件の火災が集中して発生しました(年間出火件数の61.2%)。この原因としては、この時期に火入れが行われることや、山菜採りやハイキングなどで入山者が増加することによる火の不始末等が考えられます。

 令和3年中の林野火災発生状況をみると、焼損面積は789ha(対前年比341ha増)、死者数は11人(同6人増)、損害額は1億7,642万円(同2,505万円減)となっています。


区分

令和2年

令和3年

増減数

増減率

出火件数(件)

1,239

1,227

△12

△1.0%

焼損面積(a)

44,885

78,947

34,062

75.9%

死者数(人)

5

11

6

120.0%

損害額(万円)

20,147

17,642

△2,505

△12.4%


 出火原因としては、「たき火」によるものが375件で全体の30.6%を占め最も多く、次いで「火入れ」、「放火(放火の疑いを含む)」、「たばこ」、「マッチ・ライター」の順となっており、人為的な要因による火災の割合は、全体の約66.7%を占めています。

令和3年中の主な出火原因

たき火

火入れ

放火
(放火の疑いを含む)

たばこ

マッチ・ライター

その他

林野火災
発生件数

375件
(30.6%)

247件
(20.1%)

104件
(8.5%)

58件
(4.7%)

34件
(2.8%)

409件
(33.3%)

1,227件


【林野火災防止のための注意点】

  • 枯れ草等のある火災が起こりやすい場所では、たき火をしないこと
  • たき火等火気の使用中はその場を離れず、使用後は完全に消火すること
  • 強風時及び乾燥時には、たき火、火入れをしないこと
  • 火入れを行う際は市町村長の許可を必ず受けるとともに、あらかじめ必要な防火対策を講じること
  • たばこは、指定された場所で喫煙し、吸いがらは必ず消すとともに、投げ捨てないこと
  • 火遊びはしないこと、また、させないこと

2 全国山火事予防運動(3月1日~3月7日)
 消防庁では、広く国民に山火事予防意識の啓発を図るとともに、予防対策を強化し、森林の保全と地域の安全に資することを目的として、林野庁と共同で春季全国火災予防運動期間中の3月1日から3月7日までを「全国山火事予防運動」の実施期間と定め、次のような活動を通じて山火事予防を呼びかけています。


【全国山火事予防運動期間中における主な活動】

  • 全国の消防関係機関において林野火災の予防対策と警戒を強化/li>
  • ハイカー等の入山者、地域住民、小中学校の児童・生徒等を対象とした啓発活動
  • 駅、市町村の庁舎、学校、登山口等への警報旗やポスターの掲示
  • テレビ、ラジオ、有線放送、新聞、インターネット等の各種広報媒体を活用した山火事予防意識の高揚
  • 住宅地等に近接する森林での重点的なパトロールの実施
  • 農林業関係者等と消防関係者が連携した消防訓練及び防火研修会の開催 等

令和5年 山火事予防の標語
「火の確認 山を愛する あなたのマナー」


3 おわりに
 森林は、地球温暖化の主な原因である二酸化炭素を吸収し、生命に必要な酸素を供給する貴重な資源であり、一度焼失してしまうと、その回復には長い年月と多くの労力を要することになります。
林野火災の大部分は、皆さん一人ひとりの注意で防ぐことができます。貴重な人命や財産を火災から守るため、林野での火気の取扱いには十分気をつけましょう。

(総務省消防庁「消防の動き」2023年2月号より)

このページの上に戻る
目次