富山県では、「平成20年度富山県自主防災組織リーダー研修会」を、富山市の富山県農協会館を会場に、8月30日(土)、31日(日)の2日間の日程で開催しました。
開講式 この研修会は、災害による被害を最小限に抑えるために不可欠な「地域防災力の向上」を目指し、その要となる自主防災組織の育成・強化を図る一環として、県内の自主防災組織のリーダー等を対象に、総務省消防庁後援のもと、財団法人日本防火協会と富山県の共催により実施したもので、県内各地から104名が参加しました。
1日目は、県防災・危機管理課 笹林課長の挨拶、研修日程等の説明後、富山市消防局救急隊の方々と富山市応急手当普及員の方々を講師に招き、「普通救命講習」から研修が始まりました。
心肺蘇生法の訓練 救命活動を行う上での心構え等の講話の後、自分の周りで突然人が倒れた場合の心肺蘇生の方法や、自動体外式除細動器(AED)を使った訓練を実施し、参加者は熱心に聞き、取り組んでいました。
午後からは、輪島市門前町道下区 泉 靖郎総区長を講師にお招きし、「能登半島地震 ~震災時の体験から見えたもの~」と題した講演をいただきました。能登半島地震を経験され、実際の災害現場での体験談やそこから得られた教訓、そして、地域全体で行う復興に向けた現在の取組み等、記録写真を交えながら語っていただいたお話は、参加者にとって、地域の防災力を高めるには何が大切かなど、今後の防災を考えていくうえで非常に参考になるものでした。
泉講師の講演 1日目の最後は、11班に分かれ、「自主防災組織の活性化について」や「自主防災組織が抱える問題点」など4つをテーマに、グループ討議を行いました。前半は、各班で選んだ討議テーマをもとに、自分たちの地域での取り組みや課題等について、熱心な討議が行われ、後半はグループごとの討議結果を発表してもらいました。
2日目は、山口大学大学院理工学研究科の瀧本 浩一准教授を講師にお招きし、「防災マップ作りとDIG」と題し、防災机上訓練を指導していただきました。実際の災害現場の映像を用い、地震や水害を想定したより実戦的なDIGの実施、また、瀧本講師が様々なところで実践しておられる訓練事例を踏まえながらのお話は、参考となる点が多々あり、参加者のみならず、主催者側としても非常に有意義な講義となりました。
図上訓練DIG 最後に、修了証及び記念品が財団法人日本防火協会水村課長補佐より代表者に手渡された後、同氏より今回の研修を終えての講評をいただき、2日間の研修を終えました。
参加者の方々には、本研修会で学んだことや、活動を行ううえで共通の課題を持つ自主防災組織のリーダー同士、話し合い、導き出した解決策を今後の地域での活動に生かし、地域防災力の向上に取り組んでいただくことを期待しています。