消防庁長官 大石氏 平成26年の新春を迎え、平素から地域の安心・安全を守るため、昼夜を分かたず消防活動にご尽力頂いております全国の消防関係者の皆様に、改めて感謝と敬意を表します。
我が国の消防は、関係各位の努力の積み重ねにより、着実に進展しており、昨年11月25日には、消防団120年、自治体消防65周年の記念式典が天皇、皇后両陛下のご臨席の下に盛大に挙行されました。
今日、首都直下地震や南海トラフ巨大地震などの大規模地震の発生が危惧される中で、国民の消防に対する期待は益々高まっています。
昨年は、夏に各地で記録的豪雨が発生し、10月には台風26号が伊豆大島を襲い大きな被害をもたらしました。また、長崎市の認知症グループホームや福知山市の花火大会、福岡市の有床診療所などにおける火災により多くの方が犠牲になりました。
このように、大規模化、複雑多様化する災害や事故から国民の生命、身体及び財産を守るため、着実に消防防災体制の強化を図る必要があります。
消防庁としては、平成26年度予算編成においては、東日本大震災からの教訓を踏まえながら(1)大規模災害やコンビナート災害への対応力を強化するなど緊急消防援助隊の拡充(2)Jアラートの自動起動機の整備や消防救急無線のデジタル化等による消防通信基盤の整備さらには(3)消防団への加入促進と装備・訓練の充実を3本柱として予算の確保に努めています。特に消防団については、昨年の臨時国会で「消防団を中核とした地域防災力の充実強化に関する法律」が議員立法により全党一致で成立したことを踏まえ、この法律に基づく施策の推進に努めて参ります。
また、一連の火災被害への対応として、高齢者福祉施設等におけるスプリンクラーの設置義務拡大、屋外イベント会場における防火責任者の選定と消火器設置の義務化や有床診療所における防火対策の強化に取り組んでいます。
さらに、当面の大きな課題である「消防の広域化」を積極的に推進し、消防体制を強化するとともに、救急患者の病院搬送の円滑化を図るため「救急と医療の連携強化」を促進して参ります。
関係の皆様方におかれましても、国民が安心して暮らせる安全な地域づくりのために、より一層のご支援とご協力をいただきますようお願い申し上げ、年頭のご挨拶とさせていただきます。