本格的な冬の到来に備え、石油ストーブなどの暖房器具の手入れは万全でしょうか。
平成24年中におけるストーブによる火災件数をみると、全国で1,544件発生し、主な内訳は、石油ストーブによるもの711件、電気ストーブによるもの607件となっています。
ストーブによる火災の主な出火原因をみると、可燃物の接触・落下、引火・ふく射、使用方法の誤り、消し忘れ、過熱、使用中の給油等が原因となっています。
寒い時期を迎えるにあたり、これからストーブなどの暖房器具を使用する機会が多くなります。火災を発生させないよう、特に次の点に注意するよう心がけましょう。
1. 使用にあたっての注意事項
(1)カーテン等がストーブに接触しないように、離して使用すること。
(2)ストーブの近くに紙、衣類など燃えやすいものを置かないこと。
(3)ストーブの周囲や上方に洗濯物を干さないこと。
(4)ストーブの近くでヘアスプレー等を使用しない。また、近くに放置しないこと。
2. 使用方法
(1)取扱説明書をよく読んで、正しい方法で使用すること。
(2)石油ストーブに灯油を給油するときは、必ず火を消してから行うこと。
(3)カートリッジタンク式のものは、給油後、タンクのふたを確実に締めること。
3. 点火及び消火の確認
(1)点火後は、正常に燃焼していることを確認すること。
(2)外出等の際には、必ず完全に消火していることを確認すること。
4. 点検・整備
暖房シーズン前には、十分な点検を行い、故障している場合は、販売店等に修理を依頼すること。
5. 危険物の保管
- (1)灯油用の容器は金属製のもの、又はポリエチレン製で安全性に係る推奨マーク若しくは認定証が貼付されているものを使用するとともに、必ず栓をしっかり締めて密閉すること。
- (2)保管場所は火気を使う場所から遠ざけるとともに、直射日光を避けた冷暗所とすること。
- (3)地震時に容器が転倒したり、落下物によって容器が破損したりしないようにすること。
6. 機器の安全性の向上
平成21年以降、消費生活用製品安全法により、石油燃焼機器が特定製品に指定され、国の定めた技術基準に適合した旨のPSCマークを表示した上で販売することが義務づけられました。
石油ストーブに求められる主な技術基準は次の3点です。
- ○カートリッジタンクの口金の安全強化
確実に締めたことが音、目視又は感触で確認できること。 - ○給油時自動消火
カートリッジタンクを引き抜くと自動的に消火すること。 - ○不完全燃焼防止強化
使用中に一酸化炭素の濃度が基準以上となった場合、自動的に消火すること。
(総務省消防庁「消防の動き 2013年11月号より)