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2015年1月

3.雪害に対する備え

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総務省消防庁 防災課

ボランティアの協力による除雪作業(提供:新潟県)
ボランティアの協力による除雪作業
(提供:新潟県)
 我が国では毎年、自然災害により多くの尊い人命が失われていますが、大雪となった年には、雪害により多くの方が亡くなっています。特に、平成18年豪雪では、152人に上る多数の方が亡くなりました。また、昨冬期の大雪では、一冬に95人の方が亡くなっています。
 雪害による人的被害の主な要因としては以下のようなものが挙げられ、除雪作業中の事故によるものが多いという特徴があります。

・除雪作業中の屋根、はしごなど高所からの転落
・除雪作業中の水路等への転落
・除雪機の事故(巻き込まれなど)
・屋根からの落雪
・除雪作業という重労働による発作

 そこで、除雪作業中の事故を防ぐために心がけるべきポイントとして、以下のようなものが挙げられます。

・2人以上で作業を行う
・はしごは必ず固定する
・建物の周りに雪を残して雪下ろしを行う
・低い屋根でも油断しない
・疲労時は作業しない
・作業時は携帯電話を持って行く
・命綱やヘルメットを使用する
・除雪用具の手入れ、点検をこまめに行う
・除雪機の雪詰まりの処理はエンジンを切って行う
・晴れの日は屋根の雪がゆるんでいるので注意する

 これらの対策は、「よくある除雪中の事故とその対策」(内閣府、国土交通省)にまとめられています。
http://www.bousai.go.jp/setsugai/pdf/h2312_004.pdf
 また、昨冬期は、普段雪が少ない地域で大雪となり、住家被害や交通障害等が発生しました。
 そこで、大雪、暴風雪等が予想される場合の事故等を防ぐために心がけるべきポイントとして、以下のようなものが挙げられます。

(在宅時の安全な過ごし方に関すること)
・不要不急の外出を避ける
・懐中電灯、携帯ラジオ、食料、飲料水等の準備
・FF式暖房機(※)の給排気口付近の除雪状況の確認
※燃焼用空気を室外から給排気筒を通して取り入れ、燃焼により発生した空気を給排気筒を通して室外に出す方式
(車両運転者等に対すること)
・できる限り車両の運転は避ける
・事前の気象情報、道路情報等の確認
・車両の点検整備の確実な実施
・防寒着、長靴、手袋、カイロ、スコップ、牽引ロープ、飲料水、非常食等の準備
・道路状況に応じた無理のない運転
・スタッドレスタイヤやタイヤチェーンの早期装着
・暴風雪の際の早期避難
・車両の走行不能時の早期の救助依頼、車両内での待機、マフラーの定期的除雪、適切な換気による一酸化炭素中毒の防止
・立ち往生してやむを得ず車を離れる場合には、ドアをロックせずキーを車内の分かりやすい場所に残すこと
(防災気象情報等の活用)
・気象情報、注意報及び警報を活用して早めの行動
・2人以上で作業を行う をとる

 消防庁では、降積雪期を迎えるに当たり関係道府県に対して通知を発出し、人命の安全確保を最重点とする雪害対策に万全を期すよう要請し、防災態勢の一層の強を呼びかけています。
 今年もこれから本格的な雪のシーズンを迎えます。雪による事故への備えを怠らず、雪害に強い安心安全なまちづくりを進めていきましょう。

(総務省消防庁「消防の動き 2014年12月号より」)

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