少年消防クラブは、子どもたちが防火・防災について学び、訓練や講習など様々な体験を通して、消火や応急手当などの知識・技術を身に付けることを目的として活動しているクラブです。学校、町内会、消防署、消防団(分団)などの単位で組織されていることが多く、平成26年5月1日現在、日本全国で4,558クラブ、小学生から高校生までの約42万人のクラブ員が活動しています。
防火パトロールの様子
(大分県佐伯市 ムササビ少年消防クラブ)
(提供:佐伯市消防本部) 少年消防クラブの活動内容は、クラブによって様々ですが、主に以下のような活動が行われています。
(1)防災マップ作り
クラブ員が自分たちの住むまち・地域を実際に歩き、消火栓の場所や災害時の危険箇所などを把握し、防災マップを作成することを通じて、地域の防災に対する理解を深めています。
(2)防火パトロールの実施
日頃より地域の住民の方々に火災予防を呼びかけるため、消防職員・団員等とともに、防火パトロールや防火パレードなどの防火広報活動を行っています。
(3)研究発表(ポスター等作成)
防火・防災に関する研究を行い、その成果をまとめたレポートやポスター、防火新聞等を作成して校内に展示したり、各家庭に配布したりして、火災予防や防火・防災意識の高揚に努めています。
(4)防災訓練等への参加
防災訓練や防災講習会等への参加、消防署への見学・訪問等を通じ、火災の知識や地震等の自然災害が発生する仕組みを学習したり、消火器などを使った初期消火の方法、ロープワーク、応急手当の方法等を学んだりしています。
(5)防災キャンプ
主に夏休みを利用して、学校の体育館や運動場等に寝泊まり(避難所体験訓練)し、 炊き出しを実施する等、普段なかなか体験できない活動を通じて、仲間との連帯感を高めています。
少年消防クラブの活動は、命や暮らしを守ることの大切さを学ぶとともに、地域と関わりを持ち、幅広い年齢層の仲間と交流を深める機会にもなっており、人間形成や地域社会への参加の面でも大変有意義な活動です。
防災マップづくりの様子
(北海道札幌市 東月寒少年消防クラブ)
(提供:札幌市消防局) 加えて、平成25年12月に「消防団を中核とした地域防災力の充実強化に関する法律」が成立し、「少年消防クラブ」が初めて法律に明記され、少年消防クラブに対する期待は、ますます高まっています。
消防庁では毎年、活発な活動を行っている少年消防クラブやその活動を支える指導者に対する表彰を実施しており、平成25年度は、特に優良なクラブ19団体、優良なクラブ31団体、優良な指導者9名を表彰しました。
また、少年消防クラブ員が、消防の実践的な活動を取り入れた合同訓練等を通じて他の地域の少年消防クラブ員と親交を深める「少年消防クラブ交流会」を、平24年度に東日本のクラブを中心に岩手県で、平成25年度に西日本のクラブを中心に徳島県でそれぞれ開催し、平成27年度は初めての全国大会を徳島県において開催する予定です(平成26年度は台風等の影響により中止しました)。
身近な生活の中から火災・災害を予防する方法等を学ぶ少年消防クラブに参加してみませんか。少年消防クラブへの参加、活動内容等については、お住まいの近くの消防署や市町村にお問い合わせください。
(総務省消防庁「消防の動き」2015年3月号より)