年頭の辞
黒田 消防庁長官
平成31年の新春を迎えるに当たり、全国の消防関係者の皆様に謹んで年頭の御挨拶を申し上げます。皆様方には、平素から消防防災活動や消防関係団体業務などに御尽力いただいており、心から敬意を表し、深く感謝申し上げます。
昨年も、地震や集中豪雨による自然災害が多発し、警戒活動中の消防団員の方をはじめ、多くの方々が犠牲になりました。
また、群馬県で発生した消防防災ヘリコプター墜落事故により、9名の方々の尊い命が失われたことは痛恨の極みであります。
お亡くなりになった方々のご冥福をお祈りするとともに、被災された方々に心からお見舞い申し上げます。
平成を振り返ってみますと、平成7年の阪神・淡路大震災を受けた災害対策法制の見直し、
平成15年の緊急消防援助隊の法律上の位置付け、平成23年の東日本大震災を受けた相互応援の強化や住民の円滑かつ安全な避難の確保など、
我が国の消防防災行政は、回避できない自然災害から被害を最小限にできるよう、減災への不断の努力を続けてまいりました。
尊い犠牲となりました先人のご遺志にこたえるためにも、今後発生が危惧される南海トラフ地震や首都直下地震等の大規模災害に備え、
緊急消防援助隊や地域防災力の中核となる消防団及び自主防災組織の更なる充実強化、火災予防対策の推進など、一層の推進に取り組んでまいります。
あわせて、新しい年を迎えて始まるG20大阪サミットや2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会などの大規模イベント開催時における安心・安全対策に取り組み、引き続き万全な消防・救急体制を整えてまいります。
皆様方におかれましては、我が国の消防防災・危機管理体制の更なる発展と、国民が安心して暮らせる安全な地域づくりのために、より一層の御支援と御協力を賜りますようお願い申し上げます。
結びに、皆様の益々の御健勝と御発展を祈念いたしまして、年頭の挨拶とさせていただきます。