林﨑 消防庁長官
年頭の辞
令和2年の新春を迎えるに当たり、全国の消防関係者の皆様に謹んで年頭の御挨拶を申し上げます。皆様方には、平素から消防防災活動や消防関係団体業務などに御尽力頂いており、心から敬意を表し、深く感謝申し上げます。
昨年は、台風やその影響による集中豪雨等の幾多の自然災害に見舞われ、また7月には京都市伏見区の爆発火災が発生したことなどにより、多くの方々が犠牲になりました。お亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りするとともに、被災された方々に心からお見舞い申し上げます。
また、災害現場においては、被災地の消防本部や地元消防団はもとより、被災状況により県内消防応援隊や緊急消防援助隊も総力を挙げて救急・救助活動等に当たって頂き、多くの人命を救助して頂きました。改めて皆さんのご活躍・ご尽力に敬意を表しますとともに、心から御礼申し上げます。
振り返れば、平成は、阪神淡路大震災を受けた災害対策法制の見直し(平成7年)、緊急消防援助隊の法律への位置づけ(平成15年)、東日本大震災(平成23年)を受けた相互応援の強化や住民の円滑かつ安全な避難の確保など、我が国においては不可避である大災害の不幸な経験を経つつ、被害の最小限化を目指して不断の努力を積み重ねてきた時代でした。
新たな令和の時代におきましても、これまでの災害等による先人達の犠牲を決して無駄にすることが無いよう、今後発生が危惧される南海トラフ地震や首都直下地震等の大規模災害等に備え、減災への各種施策の一層の推進に取り組んでまいります。
また、昨年は、G20大阪サミット、ラグビーワールドカップ2019及び皇位継承式典等という大規模で歴史的な行事が続き、消防庁としても、関係府省庁及び各自治体・消防本部と連携し、安心・安全対策に取り組み、万全な消防・救急体制を整えたところです。
本年はいよいよ夏に2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会が開催されます。皆様方におかれましては、国民が安心して暮らせる安全な地域づくりとそれを支える我が国の消防防災・危機管理体制の更なる発展のため、より一層の御支援と御協力を賜りますようお願い申し上げます。
結びに、皆様の益々の御健勝と御発展を祈念いたしまして、年頭の挨拶とさせて頂きます。