女性防火クラブは、家庭での火災予防の知識の習得、地域全体の防火意識の高揚などを目的に地域で活動している組織です。令和5年4月1日現在、全国で6,670団体、約100万人のクラブ員の皆さんが熱心に活動されています。
女性防火クラブの活動
令和6年能登半島地震における炊き出しの様子
写真提供:鳥屋女性防火クラブ
(石川県中能登町) 女性防火クラブの主な活動の一つが火災予防への取組です。地域住民や児童・生徒などに対する火災予防知識や防炎製品の普及啓発を始め、消火器の取扱訓練など実演を通して、火災予防技術の向上に貢献しています。特に、住宅用火災警報器の設置や維持管理では、イベントを通じた呼び掛けや地域において住宅用火災警報器を共同購入するなど、積極的な活動が実施されています。
また、地域の防災に関する取組においても幅広い活動が行われています。平常時には、地震時の家具転倒防止に関する知識の普及啓発、応急救護訓練の実施、消防団等と連携した地域の防災訓練への参加等が行われています。
他方、災害発生時には、避難誘導、避難所における炊き出し支援等が実施されており、家庭や地域の防災力向上に大きく貢献しています。東日本大震災においても、避難所での炊き出し支援や被災地への義援金・支援物資の提供等の支援活動が各地のクラブで行われました。また、令和6年能登半島地震においても、避難所における炊き出し等の支援が行われました。
さらに、災害発生時の避難などの際に支援が必要となる避難行動要支援者に配慮した地域づくりの一環として、避難行動要支援者宅への日常の家庭訪問による防災点検や、災害時の避難誘導(そのための日頃からの訓練)なども実施されています。
こうした活動は地域コミュニティの活性化にも繋がることが期待されることから、クラブ員の皆さんの知識・経験やネットワークを活かした支援活動に対して、大きな期待が寄せられています。
異なる主体と連携
女性防火クラブの活動は、他の地域のクラブとの連携や情報交換により一層の充実が期待されており、令和5年4月1日現在、43道府県において女性防火クラブの連絡協議会が設立され、クラブ間の意見交換や合同研修など様々な交流が行われています。
また、地域防災を担う消防団や自主防災組織、民生委員や社会福祉協議会などの地域の関係機関・団体との連携を深めることも重要であることから、合同での防災訓練や意見交換など、日頃から顔の見える関係づくりを行うことで、いざという時のスムーズな協力体制の構築が図られています。
活動の活性化に向けて
女性防火クラブは地域の防火・防災について重要な役割を担っており、火災や地震等の災害発生時には、地域に根ざした日頃からの活動が非常に大きな力となります。
「自分たちの地域は自分たちで守る」という信念と連帯意識の下、火災や災害に強い安心・安全なまちづくりのため、より多くの方々に女性防火クラブの活動を知っていただくとともに、積極的に参加していただきたいと考えています。
(総務省消防庁「消防の動き」 2024年11月号より)