一般財団法人日本防火・防災協会

　平成17年5月1日現在の幼年消防クラブ、少年消防クラブ及び婦人防火クラブの調査結果を見ると、 三つのクラブの総数は、33,105団体、クラブ員総数3,690,043人となり、前年度に比べクラブ数で 1,850団体の減、クラブ員では、246,019人の減となっています。
　民間防火組織の活動の重要性を考えると、今後更にクラブの拡大と組織の充実を図っていただき、 消防本部と防火クラブが一体となって、地域の防火・防災に活躍されることが期待されます。
　幼年消防クラブは、前年に比べクラブ数は、163団体減少し、クラブ員数は、6,216人の増加となっ ており、14,461団体1,257,751人となりました。
　火災の原因の中で子供の火遊びによる火災が依然として多く、特にそのほとんどが幼年期を迎えた 年少の子供達の火遊びによって発生している現状から、幼年期において、正しい火の取り扱いに対す る知識を深め、消防の仕事を理解させることにより、火遊び等による火災の減少を図り、また、幼年 期に社会活動、集団活動を体験することによって自主、強調などの社会的態度を養い、将来、災害を 防止し、生命財産を保全する能力を持つ大人となり、社会に貢献できる人間に導くという点からも幼 年消防クラブの活動は期待されています。
　少年消防クラブは、前年に比べクラブ数は、348団体減少し、クラブ員も、23,353人と減少し、 5,632団体433,995人となりました。少年消防クラブは活動を通じて、防火・防災について学習し、 話し合い、これらについての正しい知識と技能を身につけ生命と暮らしを守ることの大切さを学ぶと ともに、規律や防火マナー等を身につけ、健全な地域防災の担い手となるように努力しています。
　平成5年～8年の間は、クラブ数、クラブ員数ともにほぼ横ばい状態にありましたが、平成9年から 減少傾向になっています。
　近年の少子化傾向を考えますと、クラブ員の減少はやむを得ない面もありますが、地域と家庭の繋 がりが希薄となっていることが指摘されている昨今、地域での社会活動参加等の良い機会でもあり、 今後組織の拡充発展について期待しています。
　婦人(女性)防火クラブは、前年に比べクラブ数は、1,339団体減少し、クラブ員も、228,882人の 減少となっていますが、クラブ数は13,012団体、クラブ員数1,998,297人で依然として自主防災組織 の中では我が国有数の規模を維持しています。また、都道府県別に増減数のバラツキが見られ、増加 した地域と減少した地域があり、これは、前年同様の傾向でした。
　また、婦人(女性)防火クラブ員の活動の一環として、住宅用火災警報器等の設置に関する普及啓発 活動が大いに期待されています。戸建て住宅等、とくに4千万戸とも云われる既存住宅、なかでも独居 老人宅はその10％程度を占め、火災による犠牲者を無くすためには、住宅用火災警報器設置の必要性 を理解してもらうことが大切です。

■幼年消防・少年消防・婦人消防の過去10年間の推移

■幼年消防・少年消防・婦人消防の過去１０年間の推移
１）クラブ員数

	8年	9年	10年	11年	12年	13年	14年	15年	16年	17年
幼年消防	1,116,849	1,135,128	1,136,836	1,159,334	1,146,352	1,192,455	1,213,460	1,244,930	1,251,535	1,257,751
少年消防	536,810	523,784	519,219	501,511	487,309	479,532	470,860	470,605	457,348	433,995
婦人防火	2,489,466	2,438,755	2,458,884	2,462,103	2,435,760	2,337,364	2,304,747	2,273,882	2,227,179	2,005,046

２）団体数

	8年	9年	10年	11年	12年	13年	14年	15年	16年	17年
幼年消防	13,186	13,531	13,638	13,697	13,631	14,384	14,480	14,704	14,624	14,461
少年消防	6,202	6,115	6,097	6,052	5,970	6,108	6,042	6,051	5,980	5,632
婦人防火	14,201	14,226	14,149	14,200	13,639	14,812	14,717	14,625	14,351	13,012
合　　計	33,589	33,872	33,884	33,949	33,240	35,304	35,239	35,380	34,955	33,105

(注)平成１7年度は、総務省消防庁調べによる。

■平成１７年度　民間防火組織の状況（都道府県別総括表）　平成１７年５月１日現在

都道府県	幼年消防クラブ		少年消防クラブ		婦人（女性）防火クラブ
	組織数	人　員	組織数	人　員	組織数	人　員
北海道	556	44,876	223	6,274	464	32,321
青森県	347	19,203	72	3,589	194	6,355
岩手県	351	19,578	169	7,005	498	108,239
宮城県	393	30,820	131	10,516	1,847	294,168
秋田県	211	12,699	323	6,179	377	28,479
山形県	319	26,035	397	19,352	310	50,985
福島県	373	30,010	175	12,307	146	86,941
茨城県	413	32,163	144	9,325	213	30,072
栃木県	239	23,248	76	8,011	907	237,509
群馬県	318	28,043	151	32,037	153	152,802
埼玉県	274	34,342	60	2,858	146	16,530
千葉県	262	38,490	49	5,574	84	3,367
東京都	1,278	166,470	81	3,336	89	18,913
神奈川県	263	37,035	168	9,240	164	37,836
新潟県	433	32,259	42	1,461	129	5,328
富山県	353	21,470	220	25,492	198	43,252
石川県	233	18,303	195	7,979	278	10,997
福井県	232	14,585	184	10,273	213	16,658
山梨県	147	13,344	19	2,326	33	2,042
長野県	307	27,127	24	1,743	349	19,181
岐阜県	406	41,835	248	45,273	252	77,829
静岡県	362	37,889	93	2,019	75	6,711
愛知県	406	52,053	836	127,629	510	61,827
三重県	128	12,424	30	865	59	3,904
滋賀県	123	12,422	9	216	764	24,345
京都府	115	11,123	18	572	149	5,269
大阪府	200	38,440	14	406	141	92,476
兵庫県	331	25,087	126	6,209	274	55,733
奈良県	166	7,743	9	375	70	2,652
和歌山県	229	21,201	22	783	433	22,802
鳥取県	126	10,871	75	1,557	123	2,908
島根県	306	16,830	97	6,390	564	24,957
岡山県	276	16,786	254	9,952	393	37,620
広島県	246	22,226	55	2,241	51	7,096
山口県	144	9,143	84	3,032	86	9,077
徳島県	141	9,570	45	3,576	137	11,541
香川県	42	2,870	34	1,592	142	32,224
愛媛県	363	32,099	126	3,442	123	95,045
高知県	232	17,576	15	438	126	6,266
福岡県	719	65,213	76	1,932	95	53,999
佐賀県	176	14,167	34	1,146	191	16,274
長崎県	571	41,594	146	5,409	932	109,284
熊本県	528	18,689	138	3,875	148	12,538
大分県	181	13,009	41	7,095	47	4,244
宮崎県	237	13,432	51	11,777	164	3,558
鹿児島県	203	10,563	51	1,205	131	10,331
合計	14,461	1,257,751	5,632	433,995	13,012	1,998,297