平成19年2月26日(月)ルポール麹町において、「平成18年度婦人防火クラブによる新住宅防火
対策の推進に関する調査研究会(第2回)」が開催されました。
(財)日本防火協会 馬瀬寛常務理事の挨拶で始まり、議題として、経過報告、共同購入のガイド(仮
称)(案)について、今後の取り組みについて質疑及び討議が行われました。
また、消防庁における住宅用火災警報器に関する今後の取り組みについて、調査研究会の取り組む
べき課題、金沢市婦人防火クラブ協議会・松島町婦人防火クラブ連合会の取り組みや、火災警報器
PR・共同購入に関する報告(宮城県岩沼市、兵庫県婦人防火クラブ連絡協議会、愛知県碧南市女性
防火クラブ連絡協議会等)が行われました。
金沢市婦人防火クラブ協議会・松島町婦人防火クラブ連合会の取り組み、火災警報器PR・共同購
入に関する報告(宮城県岩沼市婦人防火クラブ連絡協議会)につきましては、下記にてご紹介しま
す。
婦人防火クラブによる新住宅防火対策の推進に関する調査研究会委員 名簿(PDF)
全国的に増加する住宅火災からの死者数は、金沢市にあっ
ても例外ではなく、平成17、18年と2年連続して例年の倍近
くとなっています。住宅用火災警報器は消防法の改正によ
り、新築住宅は昨年の6月1日から、また、既存住宅について
も金沢市火災予防条例で、2008年(平成20年)5月31日ま
でに設置が義務付けられ、本市消防局も早期設置促進を目的
とした様々な広報活動を展開しています。しかし、市民の多
くは、「設置が必要な期日まで、まだ1年以上ある」や「も
う少し待てばもっと安くなる」など、早期に設置する重要性
の認識が今一つ乏しく、飛躍的な設置にはつながっていないのが現状です。 このような中で、市内
の校区・地区ごとに結成されている57の婦人防火クラブで構成する金沢市婦人防火クラブ協議会
が、独自で住宅用火災警報器購入に係る紹介チラシを作成、市内全住戸(約19万世帯)に回覧し、
市民に対し購入・早期設置を促す普及活動をスタートさせています。
今回紹介している住宅用火災警報器は、金沢市消防機器販売協会(消防用機器を販売する8社が加
盟)と価格交渉し、婦人防火クラブ員がチラシの回覧や住宅用火災警報器の配布などを行うという条
件で、一般に市販されている価格よりも安くなっていることから(煙式3個1セット11,000円)、多
くの申し込みによる早期設置が期待されています。
金沢市婦人防火クラブ協議会は、4年前にもエアゾール式簡易消火具の購入紹介をしており、その
際は市内の各世帯に約10,000本普及させた実績があります。
金沢市婦人防火クラブ協議会の大島会長は、「私たちの普及活動を通じ、少しでも早く全世帯に住
宅用火災警報器が設置され、痛ましい住宅火災からの死者が無くなるよう願っています」と述べてい
ます。
金沢市婦人防火クラブ協議会が住宅用火災警報器を紹介します!!(PDF)
宮城県 松島町婦人防火クラブ連合会
会長 秋保きみよ
平成16年6月の消防法の改正により、ベルの音や人の声で火災発生を知らせる「火災警報器」の設
置が義務付けられました。
新築住宅には18年6月1日から、既存住宅には20年6月1日からという事で私達婦人防火クラブ、地
域住民の研修や会議の際に、消防本部あるいは消防署の方に義務化に至った経緯、必要性を説明して
いただきました。普及啓発活動では、婦人防火クラブの「茶の間から茶の間へ」のクチコミ運動が最
適なのではと言う事でした。(女性特有の井戸端会議、おしゃべりタイムにうまくのっかればと思っ
たのかな?)私達には設置義務は1人1人の認識のもとにやればいいのかなあと思い、さほど必要性
も感じず危機感もありませんでした。ところが、わが町で3月のある未明に火事が発生したのです。
全焼でした。そして悲しくもいたましい焼死者が2人も出てしまったのです。
火事に気づいたお母さんが1人1人、家族の確認をしながら助け出し、最後に残ったお父さんを助
け出そうと火の中に入り、玄関で力尽きて倒れていたと聞きました。もし、火災警報器がついていれ
ばと悔やまれます。
もし、何らかのかたちで火災の発生を知らせてくれる火災警報器がついていれば逃げる事が出来た
はずと思うと、改めて火災警報器の必要性を感じました。
この事例をもとに、この様な悲しい事故をなくそうと私たち婦人防火クラブの平成18年度の重点
目標に「火災警報器」の普及啓発活動を目標に掲げたのです。
義務といっても取り付けにはお金がかかります。そこで数社の業者から見積を取り、より安く長持
ちをするものを選んで1社にしぼり込み、さらに100円でも安くしていただくよう掛け合いました。
その上で18年度から20年6月1日までの3ヶ年計画をたてました。
家計に負担にならない様、今年はまず各家庭1個から始め、20年6月1日までに必要な個数を取り
付けましょうと言う事にしました。なお2年目、3年目は目標1,000個とし、さっそく啓発活動開始
です。啓発活動には、各地区の婦人防火クラブの役員が中心となり、各戸をまわり説明し理解を得て
推進いたしました。約1ヶ月の間の活動で814個の火災警報器を取り付けていただくことができまし
た。取り付けにあたっては、地区の行政連絡員さんに手伝っていただいたり、ある地区では1人暮ら
しの高齢者宅に自治会長に必要性を説明し、予算をつけていただきました。そして、民生委員さんと
共に取り付けをする事もできました。
啓蒙活動の苦労話や取り付けた安堵感に話がはずんでいるなか、もう警報器が作動したとの報告が
入りました。「え、どうしたの」というと、煮物をしながらちょっと、と思って外に出てしまったそ
うです。警報器の音にびっくりして家の中に入ると煙が充満し、なべは真っ黒だったそうです。警報
器のおかげで火事には至らなかったと!まずはひと安心。
今年はじめて1年目ですが、1人1人の命を守るため、目標達成に向かって地道にがんばっていきた
いと思います。
宮城県岩沼市婦人防火クラブ連絡協議会
会長 吉田八重子
私の住む岩沼市は仙台市から南方へ約20kほどのところにあり、仙台空港、日本三稲荷の一つであ
る竹駒神社、国道4号線、6号線の分岐点、また、JR東日本の東北本線、常磐線の合流点と昔から交
通の要所として栄えてきた街であります。また、全国住み良い街ランキングでは上位にランクされて
いて、東北では雪の少ない温暖なところで、有名な市であります。
12月末の人口44,143人、世帯数が15,373戸で、毎月のように人口が増えている状況です。
私たち婦人防火クラブは昭和45年に比較的農家の多い地区に発足し、昭和56年7月に岩沼市婦人
防火クラブ連絡協議会を設立、現在、25クラブ、3,109名のクラブ員で、市内を3地区に区分して、
クラブ数の多い東部地区と西部地区に支部長を置き、連絡協議会の事業運営に取り組んでおります。
目的は「自分の家から火事を出さない」「自分達の地域は自分達で守る」を合言葉に毎日が防火の
常備心と会員一同活躍をしております。
平成17年10月1日の岩沼市火災予防条例施行以降、当連絡協議会の役員及び地区会長にも説明を
行っていただきました。
その後、平成18年4月の連絡協議会の役員会で話し合い、連絡協議会の総会において、不適正住宅
用火災警報器販売に対応するため、また、適正価格で購入するためにもまとめ買いを行ってはどうか
との意見が出され、7月の連絡協議会の地区会長会議においても同様の意見が出され、共同購入の意
見がまとまってきました。
クラブ員での購入はほとんどが既存住宅での設置であることを考慮し、電源が幾種類かあります
が、電池タイプで、電池寿命があまり短くないものなど4種類を選択し、幾つかの販売店から見積書
を徴収し、9月の地区会長会議に提示し比較を行い決定しました。
販売店決定後、販売店から地区クラブの班ごとに回覧注文できるようカラーパンフレットを作成し
ていただき注文できるようにし、製品の受け渡し、代金の支払いは販売店と直接、各クラブで対応す
るということで注文がはじまりました。注文に当たっての回覧はクラブ員全世帯を行い、期限は設け
ず、そのクラブで了解を得られた方を中心に購入していただいております。
現在、岩沼市内から住宅用火災警報器の悪質な訪問販売の被害報告は出されておらず、功を奏して
いることでしょうか。
今後においても私達婦人防火クラブは家庭からの火災予防、災害時の減災を目標に各般の予防施策
を展開して参りたいと考えております。
また、近い将来相当高い確率で宮城県沖地震が起こると言われる地域にあって、地域住民の防災に
対する意識の高揚、防災思想の普及啓発を婦人防火クラブからも図って参ります。
更には地域における事故、犯罪に対しても「安全、安心まちづくり」を推進するため県警察、地域
消防機関、交通安全協会等が協定を締結し、各地域における情報を連絡し合い、情報を共有すること
で事故、犯罪を未然に防止し、地域の安全確保に努めたいと考えております。
火災警報器PR・共同購入に関する報告
(岩沼市での住宅用火災警報器の普及啓発及び共同購入に関する状況として)
○現在、共同購入を実際に進めている地域
岩沼市内全婦人防火クラブ
市街地防火クラブ 3クラブ 西部地区 8クラブ 東部地区 14クラブ
1. 実際に婦人防火クラブで共同購入を行った活動や内容
(1)現在どのくらい共同購入にむけた活動が進んでいるかについて(おもにPR活動)
平成17年10月1日の岩沼市火災予防条例施行以降、岩沼市消防署から各クラブに防火教室等に
おいて住宅用火災警報器についての説明を行い、当市婦人防火クラブ連絡協議会での地区会長会の
会議の都度、地区会長にも説明を行ってきた。
その後の地区会長会議において、連絡協議会 吉田会長から不適正住宅用火災警報器販売に対応
するため、また、適正価格で購入するためにもまとめ買いを行ってはどうかとの意見が出され、共
同購入と意見がまとまった。
現在、23地区 1,018個の注文を行っている。
2. 共同購入PRのなかで、特に苦労した(している)活動、注意点について
(1)共同購入のPR活動のなかで、特に苦労していること、活動の工夫等
住宅用火災警報器についての説明を行っているが、なかなか設置についての理解が得られない。
まずは1家庭1個の注文から行って、設置義務の平成20年5月31日までに完全設置となるように
行いたい。
(2)共同購入のPR活動を行う場合、特に注意が必要だと感じていること
共同購入にあたり、価格統一を行うが、その後の価格の変動等により困惑が生じないか心配であ
る。また、取扱いメーカーを知らない人への説明が必要。
(3)クラブ員以外の地域の団体の協力について
各クラブ員地区での防災訓練等でも地域住民に説明、町内会役員からも協力が得られるよう進め
ている。
(4)悪質な訪問販売の被害防止について
まとめ買いにより、訪問販売はキッパリ断る。契約をしない等クラブ員に説明、被害を防止でき
るのではないか。
住宅用火災警報器の説明ごとに不適正販売に対する注意を喚起してきた。
3. 実際の共同購入の活動で、注意しておきたいことについて
(※メーカーとの契約や交渉をすでに行っている場合は、契約までの流れやどのような交渉を進め
てきたかについて伺いたいと思います。行っていない場合は今後の予定を伺います。)
(1)メーカーの選定やパンフレット、製品サンプルの依頼について
メーカーは販売店での推薦メーカーとなった。
サンプルは国産の煙式、熱式、壁掛けタイプ、USA製品など説明の機会ごとに展示。
説明でのパンフレットは消防署で作成したものを利用させていただき、県からのパンフレットも
いただき、利用させていただきました。
(2)メーカーとの契約や交渉等について
いくつかからの販売店の見積書を徴収、比較し決定した。
契約そのものは行っていない。
(3)パンフレットやサンプルの依頼について
販売店から地区クラブの班毎に回覧できるようカラーパンフレットを作成していただき、注文で
きるようにした。
(4)代金の支払い、製品の受け渡し
製品の受け渡し、代金の支払いは販売店と直接、各クラブで対応する。
4. その他;岩沼市における婦人防火クラブの活動状況等
(1)岩沼市における現在の婦人防火クラブの規模や年間の活動状況
下記にて紹介。
(2)今後の婦人防火クラブ全般の活動の抱負等
現在まで家庭からの火災予防、災害時の減災を目標に各般の予防施策を展開してまいりました
が、今後においても継続し続けなければならないと考えております。
また、過去の宮城県沖地震の評価を受け、近い将来、相当高い確率で起こると言われる地域にあ
って、各地域住民の防災に対する意識の高揚、防災思想の普及啓発を婦人防火クラブからも図って
参ります。
更に地域における事故、犯罪に対しても、「安全、安心まちづくり」を推進するため県警察、名
取市、岩沼市消防本部、各市消防団、各市婦人防火クラブ、各市交通安全協会等が協定を締結、各
地域における情報を連絡しあい、情報を共有することで、事故、犯罪を未然に防止し、地域の安全
確保に努めたいと考えております。
岩沼市婦人防火クラブ連絡協議会現況
発足年月日 | 昭和56年7月20日 クラブ数 24クラブ 会員数 2,302名で結成 |
初代会長 | 昭和56年7月20日~昭和60年 3月31日 | 太田 冨美子 |
2代会長 | 昭和60年4月 1日~平成 7年3月31日 | 桂島 麗子 |
3代会長 | 平成 7年4月 1日~現 在 | 吉田 八重子 |
月別予定表 |
4月 | 総会 |
6月 | 6・12 防災訓練 |
9月 | (1)宮城県婦人防火クラブリーダー研修会(仙台市)
(2)初期消火競技大会
(岩沼市消防団・岩沼市婦人防火クラブの合同競技大会) |
8月 | 視察研修会(地区会長以上幹部で実施) |
10月 | 防火研修会(岩沼市婦人防火クラブ員の研修会) |
11月 | (1)宮城県消防協会名取地区支部連合演習
(岩沼市・名取市消防団・岩沼市婦人防火クラブ)
(2)秋季火災予防運動への参加 |
1月 | (1)岩沼市消防出初式
(岩沼市消防団・岩沼市婦人防火クラブ)
(2)防火のつどいへの参加(仙台南地方連絡協議会主催)
(岩沼市・名取市・亘理市・山元町の婦人防火クラブ) |
3月 | 春季火災予防運動への参加 |
|
年間を通じての 活動内容 | 1. 防火教室
2. 初期消火訓練
3. 普通救命講習会
4. 地震災害防災教室
5. 風水害防災教室 |
備 考 | 平成18年 4月 1日 現在 クラブ数 25クラブ 会員数 3,109名 |