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2007年3月

8.婦人防火クラブ会長活動報告

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千葉県婦人防火クラブ連絡協議会
会長 竹内 久子

 近年、大規模な自然災害や予期しがたい事故が頻発してお ります。とくに最近、地球の温暖化による異常気象とみられ る災害が世界中で増加しているように思われます。昨年末11 月に発生した北海道佐呂間町における竜巻災害は多くの死傷 者と家屋の損壊という未曾有の被害をもたらせたことは皆様 の記憶に新しいところかと思います。地震をはじめ竜巻のよ うな自然災害については、減災は可能としても発生を防止す ることができません。
 一方、火災は、例外を除いては、人災であることから、発 生を抑止することが可能であるわけです。火災というと、江戸時代の「振袖火事」(明暦の大火・当 時の江戸の人口の過半の108千余人の焼死者を出した)といわれる大火が思われます。火中に投じら れた振袖の火が瞬く間に建物に燃え広がり、歴史に残る大火になったことです。当時は、木造家屋ば かりで、未だ、定火消しや町火消しの制度もなく、消火技術も、近年の状況とは全く異なります。し かしながら、現在の都市部に見られるような住宅密集地域で、しかも気象状況が最悪であったとした ら、1軒の家屋から出火した火が街を焼き尽くすような大きな炎となったとしたら、と考えると背筋 が寒くなります。
 このような状況の中で、去る1月24日(水)千葉県消防学校の講堂及び屋外訓練場において、財団 法人日本防火協会(片山虎之助会長)の共催と、私ども千葉県少年婦人防火委員会(増田栄司会長) 及び千葉県婦人防火クラブ連絡協議会(竹内久子会長)の主催により、平成18年度婦人防火研修会 を開催いたしました。この研修会には、防火委員及び防火クラブ員ほか多数の関係者が参加しまし た。
 冒頭、増田会長、竹内会長からの主催者代表挨拶に続き、研修会に入りました。最初に、千葉市消 防局の大村満氏に「住宅火災の現状と住宅用火災警報器について」と題した講義をお願いしました。 その中で、「近年、住宅火災が増加している状況にあり、今後、住宅火災を減少させていくために は、住宅用火災警報器の設置が必要である」と、その必要性を強調しながら貴重な話をいただきまし た。
 その後、活発な質疑応答が展開されましたが、ある参加者から「住宅用火災警報器の設置について は、一般市民には未だ周知されていないのではないか」との質問があり、大村氏からは、「住宅用火 災警報器の設置の義務化については、各消防局・消防本部においても普及啓発に努めているが、各地 域との連携を強化し、なお一層の周知を図る必要がある。防火意識の高揚と併せて住宅用火災警報器 の設置促進について、地域における積極的なPR活動が期待される」とのことでした。
 また、主催者から、「住宅用火災警報器の設置促進につい ては、国や関係機関(住宅防火対策推進協議会、(財)日本 防火協会をはじめ、各消防局・消防本部)が、ハンドブッ ク、ポスター、リーフレットを作成、配布している。因み に、鎌ヶ谷市では、消防本部が独自に、住宅用火災警報器の 設置についてのチラシを作成し、自治会を通して全世帯に配 布することにより周知徹底に努めている」などの実例も紹介 されました。
 午後からは、(財)日本防炎協会の小川孝裕理事(兼技術 部長)による「防炎品と非防炎品」について分かりやすく説明があり、続いて、消防学校屋外訓練場 において、千葉市消防局中央消防署のご協力を頂き、「消火器による初期消火訓練」および「防炎品 と非防炎品の燃焼比較実験」が行われました。
 消火訓練では、消防署員の良き指導を受け、 参加者全員が大声を張り上げ、実践さながらの訓練に 臨みました。また、防炎品と非防炎品の燃焼比較実験を目の当たりにした方々は、皆一様に「非防炎 品の火に対する弱さと恐ろしさが分かった。防炎品は日常生活に欠かせないことがよく理解できた」 と、顔を見合わせていたのが印象的でした。
 また、あるクラブ員からは「非防炎の衣服 に着火した時はショックだった。火の回りの速さは言う に及ばず、あっという間に燃えきってしまった有様を見て、もしも、自分の着衣に引火したと想定し た時は背筋が凍る思いだった。被服の火が皮膚を覆い、髪が一瞬にして火炎に包まれることが連想さ れ、恐怖心に襲われた」との感想がありました。
 さらに、ある参加者からは、「改めて、住宅火 災の恐ろしさを認識した。地元に戻ってあらゆる機 会を通じ、PR活動に努めたい」、「住宅用火災警報器と防炎品の普及促進については、クラブの新 年度事業計画に採りあげたい」などと頼もしい意見もありました。
 参加者の皆様から「非常に有意義な研修会となりました」という 感想を頂き、主催者の一員として 何にもまして励みになる研修会となり、幸いに存じております。末筆ではありますが、ご協力賜りま した財団法人日本防火協会をはじめ、関係機関の皆様とご参加いただきました皆様に心から感謝申し 上げます。有り難うございました。


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