開講式 山形県では、10月22日(月)、23日(火)の2日間、米沢市の「山形県置賜総合支庁」において「平成19年度山形県自主防災リーダー研修会」を開催いたしましました。
この研修会は、自主防災組織の指導的立場にある者等を対象に、高度な知識、技能を習得させるとともに、その役割についての自覚を高め、地域における自主防災組織活性化のために活躍できる人材を育成することを目的に、財団法人日本防火協会と山形県の共催で開催したもので、県内各地から53名が参加しました。
22日(1日目)の午前中は「開講式」及び座学(「山形県の防災対策について」、「自主防災組織について」)、午後は「図上訓練:DIG」が行われました。
はじめに、「開講式」では、財団法人日本防火協会の益本圭太郎常務理事と山形県置賜総合支庁の中山芳昭総務課長からあいさつをいただきました。
「山形県の防災対策について」では、県危機管理室総合防災課の日塔防災主査が県内で発生した主な災害、大規模地震に対する県の対策、命を守るポイント、安全な雪下ろしのために必要なことなどを紹介しました。
「自主防災組織について」では、北海道教育大学の佐々木准教授が自助・共助の必要性を説明するとともに、自主防災組織が行うべき活動の事例を紹介しました。
図上訓練DIG 「図上訓練:DIG」は、北海道教育大学の佐々木准教授に前半は座学、後半は演習を行っていただきました。 最初の座学では、災害時要援護者の支援、図上訓練:DI Gの方法、住宅の耐震化、家庭内の耐震対策などについ て、映像や実例をもとにわかりやすく解説していただきました。
後半の演習では10班に別れて、まず受講者の皆さんに震度 6の地震が発生したことを想定してもらい、①直後に何をするか②3時間以内に何をするか③避難する時に自宅でし
ておくこと④避難所に持っていく物⑤自主防災リーダーとしてとる行動を想像していただきました。次に、地図を利
用し、避難所、病院、食料品店、災害時要援護者が住んでいる住宅、災害時に通行不能となる道路を確認し、地震が発生した状況を想定したうえで、避難所までの避難路を検討していただきました。各グループ内ではたくさんの意見が飛び交い、非常に活気のある演習となりました。
23日(2日目)の午前中は「人的支援活動から見た新潟県中越沖地震被害」、「気象情報の利活
用」、「防災用品の説明」の座学、午後は「救命講習」の演習及び「閉講式」が行われました。
「人的支援活動から見た新潟県中越沖地震被害」では、現地で被災建築物応急危険度判定業務に従事した県置賜総合支庁建築課の成瀬審査指導主査が新潟県柏崎市内の住宅倒壊の状況を紹介し、住宅の耐震性向上が何よりも重要であることを報告しました。
また、被災者に対する健康相談活動に従事した県置賜保健所地域保健予防課の原田精神保健福祉主査は日々刻々と変化する避難所の様子を紹介し、避難所生活でのルールや日頃からの地域のつながりが重要であることを報告しました。被災地の生々しい様子を知った受講者からはたくさんの質問があり、関心の高さをうかがわせました。
「気象情報の利活用」では、山形地方気象台の藤原水害対策気象官から気象予警報の発表内容、今年
10月1日から始まった緊急地震速報の利用心得などを説明していただきました。
「防災用品の説明」では、県危機管理室総合防災課の岩月主査が県の備蓄状況、各家庭での備蓄の必要性、家具転倒防止器具などを説明するとともに、県が作成した住宅耐震模型を使って、耐震性のある住宅と耐震性のない住宅との構造の違いを解説しました。
また、昼食時には、アルファ米、保存用飲用水、保存用缶詰を試食しました。アルファ米に水を入れて1時間待ってできあがった昼食でしたが、味のほうはおおむね好評でした。
「救命講習」は、米沢市消防本部、米沢市消防署から13名の指導員においでいただき、6つのグループに分かれ、心肺蘇生法、AEDの使用法についての講習が行われました。参加者には、AEDを初めて目にする方もおり、慣れないながらも熱心に取り組んでいただきました。また、当日飛び入りで、県置賜保健所保健企画課の安部主任薬剤師がAED設置に係る県の補助制度を説明しました。 最後に、「閉講式」では、財団法人日本防火協会の水村昇課長補佐から修了証の授与及び記念品の 贈呈、閉講のあいさつをいただき、2日間にわたる研修会は終了いたしました。
この研修会を契機として、自主防災組織の新規設立あるいは既存組織の活動の活性化が図られ、本県の地域防災力の向上が図られることを期待しております。
また、参加者のアンケート結果をみてみますと、受講者の92%が大変有意義であったと回答しており、これからも継続して研修会を開催し、より多くの県民に自主防災に対する関心を持っていただきたいと考えております
救命講習
閉講式