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2011年1月

4.自主防災組織リーダー研修会〔長野、長崎、広島〕

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平成22年度長野県自主防災組織リーダー研修会概要

長野県 危機管理部

県下各地から48名の他、多数が参加
県下各地から多数が参加
 長野県では、11月2日(火)と3日(水)の2日間の日程で、松本市の長野県松本合同庁舎において「平成22年度長野県自主防災組織リーダー研修会」を開催しました。
 この研修会は、長野県が委嘱した自主防災アドバイザー等を対象に、防災に関する知識、技能を習得させるとともに、その役割についての自覚を高め、地域における自主防災組織の活性化や組織づくりを推進できる人材の養成を図るため、総務省消防庁の後援のもと、(財)日本防火協会と長野県との共催により実施したもので、県下各地から48名の自主防災アドバイザーと8名の自主防災組織リーダー、それに市町村防災担当職員等が参加しました。
 1日目は、研修会に先立ち22年度に新たに市町村から推薦のあった自主防災アドバイザー候補者に対して長野県から委嘱状の交付を行った後、研修会の開催となりました。
 研修会では最初に開講式が行われ、長野県危機管理防災課 木曽防災専門員からあいさつがありました。その後、最初の講義として長野県危機管理防災課職員から「自主防災組織の活動について」として、災害時における住民同士の助け合い「共助」の役割を果たす自主防災組織の必要性等についての話がありました。
伊藤防災気象官による講義
伊藤防災気象官による講義
 続いて、「気象情報の活用について」として長野地方気象台 防災業務課 伊藤防災気象官による講義がありました。気象台からどういった気象情報が、どんなときに発表されるのか、長野県内での具体的な発表例や、気象庁ホームページでの発表とその見方、そして、それによってどのような災害の発生が予想できるのかなど、気象情報の防災への活用についての説明がありました。
 次に、長野県危機管理防災課職員から「防災に係る最近の動向」として近年の災害の発生状況や、国・県等が行っている様々な防災対策や防災に関する情報と、その活用についての説明がありました。
 午後からは、松本広域消防局職員による「普通救命講習・応急手当」が行われ、各参加者は消防局職員の指導を受けながら、心肺蘇生法やAEDの使用方法等の実技に熱心に取り組み、1日目の研修会は終了となりました。

「防災シミュレーションゲーム クロスロード」
「防災シミュレーションゲーム クロスロード」
 研修会2日目の午前中は長野県危機管理防災課職員から「地域防災力アップ出前講座について」と「災害時住民支え合いマップへの取り組みについて」の講義が行われ、引き続いて「防災シミュレーションゲーム クロスロード」が行われました。クロスロードでは最初にゲームの概要説明、続いて5~7人のグループに分かれて実際にゲームを行いました。災害時等における決断(分かれ道)として出される問題に各自がYES・NOで答え、その後その決断をした理由について各グループ内の全員で発表を行いました。各自が発表するいろいろな理由に時折大きな笑い声が上がるなど大変に盛り上がりました。終了後は「大変参考になった」「地元で実施したい」等の感想が多数ありました。
 昼食休憩を挟み、午後は自主防災活動に関する2つの事例発表があり、最初は南箕輪村 南殿区自主防災会 唐木会長さんからの発表でした。南殿区では、平成18年の豪雨災害の際に自主防災組織がうまく機能しなかったことから、自主防災組織(防災会)の全面見直しを行いました。役員の当て職の廃止や既存の隣組ではなく実際の地形や避難路を中心とした新たな班の編成、そして意識付けのための年会費の徴収と個別訪問による自主防災活動への参加の呼びかけ等により、区主催の防災訓練への参加者数が区民の40%にまでになったとの発表でした。
辰野町社会福祉協議会 有賀氏による事例発表
辰野町社会福祉協議会 有賀氏による事例発表
 続いて、辰野町社会福祉協議会 災害時住民支えあいマップづくりサポーター有賀さんからの発表がありました。辰野町では災害時住民支え合いマップづくりを進めるため、町の委嘱を受けたマップづくりサポーター2名と社協職員1名の計3名をマップづくり作成担当者としました。そして、この3名が中心となり町内で講習会や説明会を開催して支え合いマップの必要性について住民の理解を求めました。その後、理解を得られた地区で具体的なマップの作成支援等を行い、現在では町内の約75%の地区でマップを完成させているとの発表がありました。

 次に、「自然災害と生協の関り」として日本生活協同組合連合会 中央地連 大規模災害対策協議会 世話人 水島先生から講演がありました。阪神・淡路大震災に遭遇した先生自身の体験や、新潟県中越地震・中越沖地震への支援に携わった経験、そして阪神・淡路大震災の災害映像等も交えながら、生協グループの大規模災害対策への取り組み等についてのお話がありました。大災害にまつわる数々のエピソードを聞く事ができ、参加者からは「感銘を受けた」、「自助・共助の大切さを再認識した」等の感想がありました。また、研修会全体を通しては「大変勉強になった」「このような研修会を続けて欲しい」等の意見が多数ありました。
 最後に、(財)日本防火協会 佐藤課長から修了証の授与と閉講のあいさつがあり、2日間の研修日程が終了となりました。

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平成22年度長崎県防災推進員(自主防災リーダー)養成講座を開催しました

長崎県 危機管理防災課

 防災に関する実践的知識と技術を有し、地域における防災活動等の中心的役割を担う人材育成を目的に、(財)日本防火協会と長崎県との共催で開催しました。
 受講者アンケートの結果では、7割以上の方から「大変参考になった」と評価をいただきました。

 ◇日時:平成22年11月13日~11月14日(2日間)
 ◇場所:長崎県農協会館(長崎市出島町1-20)

【内 容】
○「地震のしくみと被害」・「火山のしくみと被害」
 講師:九州大学大学院理学研究院附属地震火山観測研究センター
 センター長・教授 清水 洋 氏
 地震と火山のしくみや特徴、被害想定など国内外の事例の紹介を交えながら、ご講義いただきました。
 長崎県内においても、最大で震度6強の地震が想定されることや、火山噴火予知の実現に向けた長期的な観測・研究の維持・継続が必要なことが理解できました。

○「災害情報と避難(最近の豪雨災害に学ぶこれからの地域防災)」
 「地域での実際の取組事例(地域防災力を高めるリスク・コミュニケーション)」
 講師:群馬大学大学院 広域首都圏防災研究センター
 センター長・教授 片田 敏孝 氏
 近年の豪雨災害、特にゲリラ豪雨については、行政が適切なタイミングで避難勧告等を発令することが困難。行政主導の防災に限界がある。行政主導の防災から、住民一人一人が「自分の命は自分が守りたい」「地域の安全は自分たちで守りたい」など「主体的な自助意識」の醸成が大切である等のご講義をいただきました。
「居安思危(こあんしき)」・・・安きに居りて危きを思う

○「気象災害(土砂災害)」
 講師:長崎大学工学部 教授 高橋 和雄 氏
 長崎豪雨災害や最近の災害の事例とその教訓に基づき、自主防災組織等による共助の必要性などについて、ご講義いただきました。
 九州は、全国的に土砂災害が多い地域で施設などのハード対策に加えて、警戒避難などのソフト対策が重要であることがわかりました。

○【演習】「災害図上訓練(DIG)」
 講師:山口大学大学院 准教授 瀧本 浩一 氏
 具体的な災害対応、防災対策を考えるためには、地域を「面」と「時間」でとらえることが必要。実際にグループにわかれ、机上の図面に、普段は気づかない、見ることができない潜在化しているリスクとしての災害の外力やその地域が持っている弱い点、強い点などを可視化し、参加者内で共有することができるDIGのご講義をいただきました。
 また、自主防災組織として災害発生前及び発生後に対応すべき課題の検討をグループで行い、課題を共有することができました。

○【演習】「防災クロスロード」
 講師:特定非営利活動法人 災害福祉広域支援ネットワーク・サンダーバード
 理事 蓮本 浩介 氏
 災害時における様々な判断が必要な課題について、自らの問題として「Yes」「No」の判断を行うとともに、各グループ内でディスカッションを行いました。
 予想外の意見もあり、グループ内で、各受講者の意見の共有ができたことは、とても有意義でした。

○「応急手当の基礎知識」
 講師:長崎市消防局 中央消防署 消防士 立野 秀明 氏
 心肺蘇生法やAEDの使用方法などの救命処置の手順などについて、ご講義いただきました。
 救急車が到着するまでの、救命処置の大切さが改めてわかりました。

 最後に、「閉講式」では、(財)日本防火協会の冨田様から修了証の授与、記念品の贈呈及び閉講のあいさつをいただき、2日間の研修会を修了しました。
 今後もこのような研修会を通じ、より多くの県民に自主防災活動に対する関心を持っていただくとともに、地域での活躍が期待できる防災リーダーを養成していきたいと考えています。

【受講者の声】

  • 災害が起こる前に、地域での準備やネットワークづくりをしなければならないと思った。
  • 災害はいつ起こるか分からないので、普段からの準備が必要と感じた。
  • 防災に関する知識を得ることができてよかった。
  • 防災に対する心構えや考え方が足りないことに気づいた。
  • 今後、地域・職場で活用し、備えをしっかりしていきたい。
  • 防災のリーダーとして活動するためには、豊富な知識が必要と思った。
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広島県自主防災組織リーダー研修会を開催しました

広島県 危機管理監消防保安課

 防災に関する高度な知識・技能を習得させるとともに、地域における自主防災活動活性化のために活躍できる人材の育成等を図るため、(財)日本防火協会と広島県の共催により『平成22年度自主防災組織リーダー研修』を次のとおり開催しました。

【日 程】平成22年11月24日(水)から25日(木)の2日間
【会 場】広島県庁自治会館(広島市中区)
【参加者】県内各地から、55名が参加しました。

佐伯講師による講義の様子
佐伯講師による講義の様子
 【1日目】
『開講式』
 主催者である広島県危機管理監消防保安課の藤間課長の開講のあいさつにより、研修が開会しました。

『災害に備えるための気象情報活用』
 広島地方気象台観測予報課の佐伯亮介予報官より、気象のメカニズムをはじめ、近年の災害の特徴や警報・注意報等の発令基準、各機関が提供する気象情報の活用方等についての講義を実施しました。

林講師による講義の様子
林講師による講義の様子
『幼児から高齢者まで楽しく学べる自助・共助』
 呉市消防局東消防署阿賀北出張所の林国夫副所長よりクロスロードや防災ダック、歩一歩(ほいっぽ)体操などのユニークな手法を用いた防災教育についての講義を実施しました。
 講義では、それぞれのツールを用いた体験も行われ、研修参加者の「楽しい防災教育」に対しての認識が深まりました。

『ひろしま防災リーダー活動報告』
 広島県が昨年度認定した「ひろしま防災リーダー」3名による、活動内容の発表を実施しました。
 発表内容は、幼児への防災・防火教育や、各種団体との連携による防災活動など、いずれも熱心な取組事例で、研修参加者の今後の活動の参考となるところも多くありました。

阿部講師による講義の様子
阿部講師による講義の様子
【2日目】
『災害時における高齢者生活支援』
 日本赤十字社広島県支部の阿部直美指導員より、避難所等における高齢者の生活支援方法についての実技講習を実施しました。
 高齢者の起き上がりや立ち上がり時の挙動に関する支援をはじめ、肉体的・精神的なストレスに対する支援、毛布を利用した簡易的なガウンの作成方法など、高齢者支援のみならず、避難所における生活に必要な知識・技術を学びました。

籠田講師による講義の様子
籠田講師による講義の様子
『大規模災害に備えて ~大規模災害時のとっさの判断~』
 元広島県危機管理対策監の籠田純士講師より、集中豪雨等による大規模な土砂災害を想定した講義と図上訓練を実施しました。
 参加者は5つのグループに分かれた後、土砂災害に関する講義を基に、講師から提起された文章問題によるイメージ訓練と、図面を用いたシミュレーション訓練を行いました。
 演習の最後には、自主避難のタイミングや経路など、それぞれのグループにおける「とっさの判断」を発表しました。

『閉講式』
 主催者である(財)日本防火協会の水村課長補佐による修了証の授与、記念品の贈呈、閉講の挨拶により、2日間にわたる研修が終了しました。
 研修参加者に実施したアンケート調査結果においては、各講義ともに高い評価を得ており、高度な知識や新たな技能を習得するとともに、自主防災活動に関する意識の高揚にも繋がるものとなりました。この2日間の研修成果を、それぞれの地域の自主防災活動に活用し、地域の防災力向上が図られることを期待します。

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