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2006年7月

5.第9回 市町村婦人(女性)防火クラブ幹部研修会の開催

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第9回市町村婦人防火クラブ幹部研修会会場
「第9回市町村婦人(女性)防火クラブ幹部研修会」が、平成18 年7月6日(木)・7日(金)の2日間、ホテルルポール麹町において 開催されました。
 この研修会は、団体相互の交流と活動内容等の情報交換など を行うことにより有事に際して地域間組織の一層の充実・強化・ 連携を図り連絡応援態勢の構築を目的に行われております。





(財)日本防火協会 片山新会長
 6日は先ず、(財)日本防火協会 片山虎之助新会長による開会 挨拶が行われ、「地域から火災を出さないために婦人防火クラブ がリーダーとなり指導することが大切です。安心安全な地域を守 るために、婦人防火クラブの皆様と常備消防の連携を守っていく ことが大事です。また、阪神大震災以降、パブリックだけでは十 分でなく、皆様自身の日頃の備え、何が必要でどう行動するの かをきちんと認識することが重要です。」と挨拶されました。



総務省消防庁 板倉長官
 次いで、総務省消防庁 板倉敏和長官より、「今、住宅火災は 高齢者だけの問題ではなく、すべての人に当てはまります。その ためにも、住宅用火災警報器の普及啓発は不可欠であり、婦人 防火クラブを始めとした自主防災組織の力で広めることが大事 です」とのご挨拶をいただきました。






消防庁国民保護・防災部 小林部長
 その後、消防庁国民保護・防災部 小林恭一防災部長より「消 防行政と地域防災」のご講演をいただき、ジャワ島での地震災 害等、世界の災害と比較した日本の災害状況、近年の災害別の 死者数日本の災害概況や新潟県中越地震での被害は地盤災 害が多いとの現状について語られました。
 今後発生が懸念される主な大規模地震とその被害想定では、 首都圏地震によっておこる経済損失は112兆円で、およそ1千万 人の帰宅難民が出ると考えられています。そのために必要な食 料は、1日当たり9,000食ですが、今、首都圏で備蓄されている食 料は約3日分程度で、各個人での備えも必要になります。そし て、消防庁の取り組みとして、消防庁職員参集体制の確立、緊 急消防援助隊の活動状況などが挙げられました。
 また、膨大な被害規模では、行政による公助だけでは限界が あり、個々の人の自覚に根ざした自助・地域コミュニティ等による 共助・行政による公助等の社会のあらゆる構成員が総力を挙げ て対応することが必要があります。
 そして、婦人防火クラブをボランティア精神にあふれた女性た ちの集まり、住宅防火が活動の原点と意義づけられ、組織率の 拡充、幅広い世代の女性の参加、消防署・消防団・学校・町内 会・自主防災組織などとの連携を促しました。家庭防火から安 全・安心な地域づくりの一環として、防火の啓発・診断・地震安 全チェック・防災訓練や、救急救命講習の普及、教育との連携 (幼年・少年消防クラブなどの指導、教育)、福祉との連携(一人 暮らし老人宅への声かけ、訪問など)などの活動を婦人防火クラ ブに期待すると語られました。
 家庭での地震対策として、住宅の耐震化、災害伝言ダイヤル 等の活用、2リットルのペットボトルに水を入れて暗所に常時置 いておくなどの、地震に備えた準備が挙げられ、最後にコミュニ ティ防災組織の活性化として、リタイア・プロフェッショナルの利 点を挙げられ、職場人生で培った専門的知識、経験、技能、人 脈をぜひ生かしていただくことが大切であり、地域に戻って来る 団塊の世代を仲間にしていだくのも、婦人防火クラブ員の力が 不可欠であると語られました。

(財)東京救急協会 茂呂指導課長
 次いで、(財)東京救急協会 茂呂浩光指導課長による講演 「AEDと応急手当の必要性」が行われました。心臓突然死の83% が心室細動が原因であり、早期除細動の重要性から、AED(自 動体外式細動器)の必要を述べられました。
 また、AEDは、平成16年7月1日から一般の方も使用が可能 になり、愛知万博や大江戸線都庁前駅での救命例が挙げられ ました。その後、研修会場において、心肺蘇生法とAEDの操作 を希望者が行い、実際にAEDを使用することで参加の皆様は早 期除細動の重要性を認識されたことと思われます。


樅の木オフィス 千葉紘子氏
 休憩をはさみ、樅の木オフィス 千葉紘子先生より「ふれて心 に、笑顔で愛で~ボランティア活動を通して」のご講演をいただ きました。
 千葉先生は、昭和58年より法務省篤志面接委員として、少年 院を訪ねて21年、非行に走ってしまった子供たちの声を受けとめ 続けており、その経験から子供の非行や教育について語られま した。
 子供に対する環境の変化から、現在の学校教育だけでは限界 があり、家庭での問題が子供の非行化に深く関わっている点を 指摘され、問題家庭として、放任家庭、厳格すぎる家庭、溺愛す る家庭を挙げられました。これらに対し、子供が自己評価できる ことが大切であり、子供が自己否定するような場を作ってはいけ ないと述べられ、参加の皆様より多くの拍手をいただきました。
 夜は参加者による交換会が行われました。総務省消防庁板倉 長官もかけつけ、ご挨拶を頂戴し、千葉紘子先生も同席され、各都道府県間での交流が盛大に行われまし た。
 2日目は、総務省消防庁 寺村映予防課長による講演「住宅防火対策の推進」で始まり、最近の住宅火災の 状況から、住宅用火災警報器の設置が義務づけられたことや住宅用火災警報器の種類、設置場所、購入方 法、日本消防検定協会のNSマークについて等を説明されました。
 また、婦人防火クラブに対し、住宅用火災警報器の設置義務化や防炎品の普及啓発を期待していますと 述べられました。

ワークショップ
 続いて、各県に分かれワークショップが行われました。
 ワークショップの課題テーマは、共通テーマ、「住宅用火災警 報器普及啓発活動をめぐる諸問題について」が話し合われまし た。
 グループ別テーマでは、第1グループ(北海道・秋田県・栃木 県・東京都・福井県・静岡県・京都府・和歌山県・山口県・高知 県・熊本県・沖縄県)により「財政問題(婦人防火クラブ活動費の あり方)について」

 第2グループ(青森県・山形県・群馬県・神奈川県・山梨県・愛知 県・大阪府・島根県・徳島県・福岡県・宮崎県) により、「婦人防 火クラブの日常活動のあり方について」


修了証代表受領
 第3グループ(岩手県・福島県・埼玉県・富山県・長野県・三重 県・兵庫県・岡山県・香川県・佐賀県・大分県)により「消防団・自 主防災組織と連携した防火・防災訓練のあり方について」

 第4グループ(宮城県・茨城県・千葉県・石川県・岐阜県・滋賀 県・奈良県・広島県・愛媛県・長崎県・鹿児島県)により、「女性消 防団と婦人防火クラブのあり方について」の4つのテーマについ て、議論が交わされました。
 ワークショップ終了後、各グループごとに課題討議発表・質疑応答が行われ、最後に修了式がとりおこなわ れ、盛大なうちに第9回市町村婦人(女性)防火クラブ幹部研修会が終了しました。

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