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2012年1月

3.東日本大震災被災地で実施した婦人防火クラブの支援活動について ~第3回~

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 本年3月11日発生しました東日本大震災で被災された3県の内から、婦人防火クラブ(婦人消防協力隊)を選定し、被災体験、炊き出し支援等被災者支援の対応状況等について聴取いたしました。ここでの聴取内容を数回に分けて全国の婦人防火クラブの皆様にお伝えすると共に、記録して保存していきたいと考えております。
第3回目の今回は、宮城県南三陸町歌津地区婦人防火クラブ・岩手県藤沢町婦人消防協力隊、気仙沼市(唐桑町・本吉町含む)および南三陸町の婦人防火クラブ連合会、石巻地区婦人防火クラブ連絡会、塩釜地区婦人防火クラブ連合会、相馬地方女性消防隊連絡協議会の皆様にご協力をいただきましたので、紹介させていただきます。

(インタビュー及び報告書の作成:全国地域婦人団体連絡協議会 浅野幸子氏)

南三陸町歌津地区婦人防火クラブ・藤沢町婦人消防協力隊が行った活動について

宮城県 南三陸町歌津地区婦人防火クラブ
岩手県 藤沢町婦人消防協力隊

 東日本大震災では、藤沢町も建物の被害や停電に見舞われたにも関わらず、婦人消防協力隊のリーダーたちを含む住民が立ち上がり、即日~4日以内に、隣接する気仙沼市本吉地区や南三陸町への物資提供と炊き出しなどの支援を開始している。
 今回ヒアリングに出席いただいた南三陸町歌津地区の婦人防火クラブのみなさんは、津波で犠牲者を出し、家を流されるなど大変に厳しい状況の中にありながらも、住民同士の助け合いの先頭に立ち、命と健康を守りつなぐ活動に奔走している。現在、南三陸町歌津地区婦人防火クラブのリーダーのうち幾人かが、藤沢町内に建つ雇用促進住宅で暮らしているため、その集会所で当時のお話を伺った。
 また藤沢町は、一関市との合併直前の9月1日時点で人口9,123人、2,950世帯が暮らし、従来から住民主体のまちづくりが積極的に取り組まれている。東日本大震災では、人的被害はけが人が数人程度でしたが、公共施設などに大きな被害がでている。
>>インタビュー内容はこちら(PDF)

左から阿部さん、小沢さん、千葉(美)さん
左から阿部さん、小沢さん、千葉(美)さん
左から佐藤さん、千葉(と)さん
左から佐藤さん、千葉(と)さん

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気仙沼本吉地区婦人防火クラブ連合会が行った活動について

宮城県 気仙沼本吉地区婦人防火クラブ連合会
(気仙沼市・唐桑町・本吉町・南三陸町)

左から千葉(恵)さん、吉田さん、及川さん、千葉(み)さん
左から千葉(恵)さん、吉田さん、
及川さん、千葉(み)さん
 東日本大震災では津波により、長い海岸線に沿って大きな被害を出し、死者1,028人、行方不明者371人、住宅に被害は8,522棟・半壊2,436棟にのぼっている(平成23年11月2日現在)。
 南三陸町は、平成17年に歌津町と志津川町が合併して誕生した町で、東は太平洋に面し、リアス式海岸特有の豊かな景観がみられるのとともに、三方を標高300~500mの山に囲まれた、豊かな自然環境を形成している。平成23年2月時点で、人口1万7千666人、5千362世帯が暮らしていたが、東日本大震災では津波の被害を大きく受け、犠牲者は死者564人・行方不明者333人、住宅は全壊が約3100棟・半壊が約150棟にのぼっている(平成23年11月2日現在)。
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石巻地区婦人防火クラブ連絡会が行った活動について

宮城県 石巻地区婦人防火クラブ連絡会

 世界有数の漁場を三陸沖に抱くことから、石巻市は古くから日本を代表する水産都市のひとつであるが、内陸の平野部では稲作を中心とした農業も盛んである。東日本大震災においては、死者3,180人、行方不明者688人、全壊20,901棟、半壊4,102棟もの被害を出している(2011年11月13日現在)。
 東松島市は、仙台市の北東、石巻市の西隣にあり、南は太平洋に面している。市の西北部は丘陵地が連なり、南は名勝「松島」の一角を占めるなど風光明媚な景観を形づくっている。沿岸部では養殖業が盛んで、内陸では稲作やハウス栽培などの農業も盛んである。震災前の人口は42,915人・13,997世帯であるが(平成22年度の国勢調査より)、東日本大震災では、死者1,044人、行方不明者94人、全壊5,432棟、半壊5,471棟に上った(2011年11月13日現在)。
 なお、石巻地区広域行政事務組合では、石巻市・東松島市に加えて女川町も管轄となっており、その人的被害の規模はあまりに大きかったため、救助や捜索は困難を極めている。
>>インタビュー内容はこちら(PDF)

左から山下さん、佐藤さん、亀山さん
左から山下さん、佐藤さん、亀山さん
左から井上さん、三浦さん
左から井上さん、三浦さん

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塩釜地区婦人防火クラブ連合会が行った活動について

宮城県 塩竈市・多賀城市・松島町・利府町・七ヶ浜町
婦人防火クラブ連合会

 塩釜地区は宮城県仙台市のすぐ北隣りで、塩竃市・多賀城市・松島町・七ヶ浜町・利府町から成っているが、震災前の人口と世帯、震災と津波による被害は下記の通りである。
 仙台市内から名勝松島湾のある松島町へは、石巻へ通じる仙石線が太平洋に面したこの地区一帯を駆け抜けるような形で走っており、にぎわい、美しい自然の景観、湾岸の工場やコンビナート、漁村など、それぞれに多様な顔が見られる地域となっている。
 婦人防火クラブの活動は以前より、この地区一帯で熱心に取り組みが行われており、東日本大震災においても、直後よりその力を発揮して、地域の状況に応じた相互扶助活動が行われている。
 なお、塩釜地区消防事務組合消防本部の資料等によると、消防本部の建物自体はぎりぎりで浸水を免れたものの、一帯は地盤沈下し、津波広報中に水没した車両もあった。その後の救助活動も厳しい状況で展開されたことが分かる。
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相馬地方女性消防隊連絡協議会が行った活動について

福島県 相馬地方女性消防隊連絡協議会

 相馬市は、福島県北部の太平洋側に位置し、北は新地町と宮城県に、西は伊達市、南は飯舘村と南相馬市に隣接し、東西約28km南北約13kmの市域を擁している。
 震災前は人口約3万8千人・1万3千700世帯が暮らしていたが、東日本大震災では9.3m以上の大津波が押し寄せ、457人の犠牲者と2名の行方不明者を出している。
 相馬市では、女性消防隊が10地区で結成されており、西側の被害の少なかった地区の女性消防隊員によって、炊き出しを中心とした被災者の支援活動が展開された。1日1万個以上のおにぎりを握った地区もある。復興への道のりは平坦ではないが、女性消防隊の各地区隊長は、地域の復興と防火・防災活動の活性化に取り組む意思を強く持ちながら取り組みを継続しており、今後も地域の重要な担い手としての活躍が期待される。
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立谷さん
立谷さん
左から立谷さん、中城さん、古市さん、庄司さん
左から立谷さん、中城さん、古市さん、庄司さん

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