秋本会長による挨拶 平成24年6月11日(月)・6月12日(火)の2日間にわたり、「第15回市町村婦人(女性)防火クラブ幹部研修会」がルポール麹町にて開催され、全国から約90名が参加しました。
この研修会は、団体相互の交流と活動内容等の情報交換を県レベルから市町村レベルにまで深く掘り下げ、災害等の有事に際し地域間組織の一層の充実・強化・連携を図り、連絡応援体制の構築を目的に行われています。
初日の冒頭では、東日本大震災で亡くなられた多くの皆様の冥福を祈り、1分間の黙祷を行いました。
その後(財)日本防火協会 秋本敏文会長による開会の挨拶で始まり、「この度の東日本大震災では沢山の婦人防火クラブ員の方達が炊き出しや救援物資の配布などで活躍されたとお聞きしました。日頃地域で活動されている皆さんにしか出来ない心配りや、女性ならではの発想が防火・防災には
総務省消防庁 久保長官による講演必要になります。こちらにお集まりの防火クラブの皆さまの活動こそが総合防災力を高めることに繋がると思っております。今年で婦人防火クラブは結成50周年を迎えます。今後とも皆さまのお力添えを賜りたくお願い申し上げます。」と挨拶しました。
続いて、総務省消防庁長官 久保信保氏よる挨拶と「消防行政の当面の課題」についてご講演が行われ、東日本大震災における被災地での消防の活動状況や、福島第一原子力発電所における対応について。また全国での救急搬送の現状と課題、新しい応急手当講習制度の体系についてご講演いただきました。
瀧本氏による「来るべき自然災害に備える」 次に、当協会のメールマガジンに執筆頂きました山口大学大学院理工学研究科准教授 瀧本浩一先生から「来るべき自然災害に備える~防災とまちづくりの実際~」と題し、講演を行っていただきました。瀧本先生は全国各地で「防災とは何か?」「地域ではどんな備えが必要なのか」を考える講演を全国各地で開催されています。
今回は近年、豪雨や大型台風、大規模な地震が頻発している中、なかなか進まない防災対策の実態や現状について、地域防災活動を活発にさせるためには何が必要か。などについてご講演いただきました。
続いて、体験発表では婦人(女性)防火クラブ会長による4名の発表が行われました。
クラブ名 | 発表者 | 発表内容 |
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岩手県 大船渡市婦人防火クラブ協議会 | 石橋 祥子会長 | 「3.11震災から学んだもの」 東日本大震災で被災した時の状況や、避難場所で感じ、学んだことについて。 |
宮城県 亘理地区婦人防火クラブ連合会 | 阿部 弘子会長 | 「おっきい地震 すごい津波」 東日本大震災における山元町の被災状況や、婦人防火クラブが実施された炊き出しの様子について。 |
福島県 久之浜・大久婦人消防クラブ | 根本 智子隊長 | 「東日本大震災の教訓と課題」 地震の被害のほか原発事故で避難を余儀なくされた地域での活動や、避難者達と力を合わせて炊き出しをした様子などについて。 |
京都府 精華町婦人(女性)防火クラブ連合会 | 林田 仁美会長 | 「京都府における婦人(女性)防火クラブの活動状況について」 精華町におけるクラブ間の連携強化、消防イベントでの炊き出し訓練や住警器の啓発活動。福知山市における婦人部の活動状況について。 |
石橋会長
阿部会長
根本隊長
林田会長
椎名氏による「住警器の維持管理について」 1日目の最後は、総務省消防庁 予防課 椎名 大介課長補佐による「住宅用火災警報器の維持管理と今後の対策について」「防炎品普及キャンペーン」などについてご講演いただきました。
住警器設置は昨年6月に全国で義務化され、全国の推計設置率は71.1%(平成23年6月時点)まで上がったところですが、これからは設置後の維持管理が大切になります。設置した住警器の電池を確認し、定期的な点検が必要になります。
また、毎年9月の敬老の日に防炎品を贈る「(仮称)防炎品普及キャンペーン」を消防庁が立ち上げる計画をしており、防炎布団やカーテンの大切さについてお話をしていただきました。
2日目は、ワークショップとして4グループに分かれて
- 東日本大震災を踏まえた今後の取り組みについて
- クラブ員の確保・高齢化対策について
- クラブ活動の活性化の取り組みについて
- 住宅用火災警報器の維持管理の推進について
以上、4つの課題の中から討議が行われました。
ワークショップ風景(1)
ワークショップ風景(2)
ワークショップ風景(3)
ワークショップ風景(4)
ワークショップの後、課題討議の結果発表が行われました。各グループとも様々な意見や活動状況・地域独自の取り組みが発表され、婦防活動の苦労や住警器の共同購入に向けた取り組み、婦防クラブ自体のPRの為に取組まれた活動などを発表していただきました。
(財)日本消防協会 広庭忠雄年金共済部長より婦人福祉共済等の事業説明が行われた後、当協会の吉田理事長から参加者全員に修了証を授与しました。
続いて吉田理事長による閉会の挨拶では、昨年発行した冊子「東日本大震災における婦人防火クラブ」を発刊した経緯と当協会職員が被災地に出向いてヒアリングを行った様子についてや、ご協力いただいた婦人防火クラブ員、消防職員の方々に感謝を述べて2日間の研修会を終了いたしました。
吉田理事長から修了証授与
全国から約90名が参加した研修会