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2005年12月

6.平成17年度自主防災組織リーダー研修会(宮崎県・北海道)

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宮崎県

⾃主防災組織リーダー研修会の結果概要について


 財団法⼈⽇本防⽕協会との共催により、⾃主防災組織の活性化や組織づくりを積極的に推進できる ⼈材を養成するため、上記研修会を開催しましたので、その概要を次のとおり報告します。

1 目的
 本県は、地理的な特性から台風や豪⾬等による⾃然災害が発⽣しやすい地域であり、 先の台風第 14号でも⼤きな被害を受けたところです。
 さらに⽇向灘地震や⼩林・えびの地震に加えて今世紀前半の発⽣が懸念されている東南海・南海地 震に対する防災対策が重要な課題となっています。
 これらの災害の被害をできるだけ⼩さくするためには、地域の防災⼒を⾼めておくことが重要で あるとされています。

(財)⽇本防⽕協会
⼩林弘明常務理事による開講挨拶
 地域防災⼒向上の要となるのは、住⺠の⾃発的な組織である⾃主防災組織であり、⾃主防災組織 の活性化には、リーダーの資質と熱意に負うところが⼤きいとされています。
 そこで⼤規模災害発⽣時に⾃主防災組織が的確・迅速に機能するよう、県内の⾃主防災組織リー ダー等に⾼度の知識や技能を習得していただくとともに、その役割の⾃覚を⾼め、その地域における ⾃主防災組織活性化のために活躍できる⼈材と組織づくりを積極的に推進できる⼈材育成を図ること を目的とします。

2 実施場所
宮崎県消防学校(宮崎市⼤字郡司分210番地)

3 ⽇程
平成17年10⽉20⽇午前10時から
平成17年10⽉21⽇午後3時30分まで

4 参加者
宮崎県内の⾃主防災組織 関係者等52名

5 研修結果の概要
(1)災害図上訓練(DIG)︓10⽉20⽇午前10時30分〜午後6時

 富⼠常葉⼤学環境防災学部の⼩村隆史助教授から「災害図上 訓練(DIG)の進め⽅」の講演をいただくとともに「災害図 上訓練の実施」として参加者を5班に分け、宮崎市⼤字熊野島 ⼭地区において地震と豪⾬の災害が発⽣した場合を想定し、⼩ 村助教授から具体的な⽅法について説明をいただきながら、宮 崎⼤学⼯学部の原⽥隆典教授、宮崎地⽅気象台の横⼭太防災気 象官、同気象台の⽶満俊郎主任技術専門官のコメントをいただき、より現実に即した訓練を実施しました。


地図への書き込み

グループ検討成果発表

(2) 防災夜なべ談義(クロスロードゲーム)︓20⽇午後7時〜午後9時
 ⽂部科学省⼤都市⼤震災軽減化特別プロジェクト(林春男研究グループ)により 開発されたクロス ロードゲームを参加者を6班に分け、難問にそれぞれの⽴場で意⾒交換を⾏いました。
 中には意⾒が⽩熱して、10分以上意⾒を戦わせる班もありました。
 ⾏政職員・消防職員班では、実務と直結した専門的な意⾒交換が⾏われました。
 ⾦⾊座布団獲得者と⻘⾊座布団最多獲得者には、豪華な商品(非常⾷)が贈呈されました。

(3) 非常招集訓練︓21⽇午前5時46分〜午前6時30分
 参加者には、事前に通知せず、非常招集訓練を実施しました。
 寝静まった消防学校学⽣寮に無情な「地震が発⽣しました。⼤津波警報が出ましたので⾄急、避難 してください。」という伝達が響き、参加者は眠い目をこすりながら、指定避難場所の体育館へ移動 しました。
 津波到達予測時刻である午前6時までに全員避難が完了しました。
 その後、招集訓練開始時間の意味(阪神・淡路⼤震災の発災時刻)や防災ひとくち講話を⾏いました。

(4) 講義研修(⾃主防災組織)︓21⽇午前8時30分〜午前9時50分
 宮崎県危機管理室近藤悟防災対策担当リーダーが「⾃主防災 組織の活性化について」と題して、台風第14号の被害や対応 状況を踏まえたうえで、⾃主防災組織のあり⽅、活性化につい て講義を⾏いました。

(5) 講義研修(気象情報)︓21⽇午前10時〜午前12時
 宮崎地⽅気象台の横⼭太防災気象官と⽶満俊郎主任技術専門 官が「気象情報について〜風⽔害と地震関係〜」と題して、具 体的な事例をあげて、詳しく解説しました。
 参加者からも気象に関する質問が相次ぎ気象の専門家から懇 切丁寧な回答に満⾜していました。




(6) 実技研修(救護・救急⼿当て)︓21⽇午後1時〜午後2時30分
 最後の研修となった救護・救急⼿当ての実技研修では、消防 学校の廣瀬利博教官、上村等教官、⽴野⼀広教官の指導で「三 角⼱の使⽤⽅法」「⼼肺蘇⽣法」「AEDの取扱い」等につい て実技研修を⾏いました。参加者は、真剣に取り組んでいまし た。
研修1⽇目 10⽉20⽇(⽊)

時 間所要時間項 目内 容 ( 講 師 等 ) 場 所
09:30 〜10:00 30参加者受付
10:00 〜10:15 15 開講式主催者あいさつ
(財)⽇本防⽕協会 ⼩林弘明常務理事
宮崎県危機管理局 楠元幸寛危機管理室⻑
視聴覚教室
10:15 〜10:30 15オリエンテーション消防学校施設案内(消防学校職員) スケジュール説明(危機管理室員) 視聴覚教室
10:30 〜12:00 90図上訓練(DIG)
訓練の進め⽅
講 師︓富⼠常葉⼤学環境防災学部
助教授 ⼩村 隆史 ⽒
コメンテーター ︓宮崎⼤学⼯学部
教 授 原⽥ 隆典 ⽒
コメンテーター ︓宮崎地⽅気象台
防災気象官 横⼭ 太 ⽒
主任技術専門官 ⽶満 俊郎 ⽒
講 堂
12:00 〜13:00 60昼⾷、休憩居室への荷物搬⼊(部屋割参照) ひむか寮
13:00 〜16:00 180図上訓練(DIG)
実践訓練
進⾏管理︓⼩村助教授
コメンテーター︓原⽥教授
コメンテーター︓宮崎地⽅気象台 横⼭⽒ ⽶満⽒
アシスタント︓危機管理室員
講 堂
16:00 〜17:30 90 図上訓練(DIG) 結果発表・講評
図上訓練の結果発表、結果報告へのコメント
講 堂
17:30 〜19:00 90⼊浴・⼣⾷ひむか寮
19:00 〜21:00 120防災夜なべ談義
(クロスロード)
進⾏︓危機管理室員体 育 館
21:00 〜22:00 60⾃由時間体 育 館
そ の 他
22:00 〜22:30 30就寝準備ひむか寮
22:30 就寝(消灯) ひむか寮

研修2⽇目 10⽉21⽇(⾦)

時 間所要時間項 目内 容 ( 講 師 等 ) 場 所
05:46非常招集訓練
06:30起床ひむか寮
06:30 〜07:20 30⽇朝点呼・清 掃 洗⾯等を済ませ、指定場所で⽇朝点呼 軽い体操後に清掃 点 検 場
07:20 〜08:00 40朝⾷等ひむか寮
08:00 〜08:30 30⾝辺整理 研修準備 ひむか寮
08:30 〜09:50 80講義研修⾃主防災組織の活性化について 危機管理室近藤悟防災対策担当リーダー 視聴覚教室
09:50 〜10:00 10休憩
10:00 〜12:00 120講義研修気象情報について(風⽔害と地震関係)
講師︓宮崎地⽅気象台
風⽔害/防災気象官 横⼭ 太 ⽒ 地震/主任技術
専門官 ⽶満 俊郎 ⽒
視聴覚教室
12:00 〜13:00 60昼⾷、休憩⾷堂、居 室
13:00 〜14:20 80実技研修救護・救急⼿当て 講師︓県消防学校教官 体 育 館
14:20 〜14:30 10休憩
14:30 〜15:00 30意⾒交換会参加者の意⾒交換視聴覚教室
15:00 〜15:30 30閉講式閉講挨拶
宮崎県危機管理局 宮永博美局⻑
(財)⽇本防⽕協会 ⽔村課⻑補佐
修了証の授与等 受講者代表謝辞
視聴覚教室
15:30 〜16:00 30居室整理終了後解散

※この表は、研修終了後に修正したもので、非常招集訓練については、事前の通知なしで実施。


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北海道

北海道では、(財)⽇本防⽕協会との共催により、1 0 ⽉2 7 ⽇(⽊)・2 8 ⽇(⾦)の2 ⽇間(1 泊2 ⽇) にわたり、⾳ 更町笹井ホテルにおいて、『⾃主防災組織リーダー研修会』を 開催しました。
 この研修会は、⾃主防災組織の指導的⽴場にある⽅を対象と し、その地域における⾃主防災組織活性化のための組織づくり を積極的に推進できる⼈材の養成を目的として開催いたしまし た。
 研修のカリキュラムは、1 ⽇目に「講義」、「グループ討議」、2 ⽇目に「講義」と「図上演習 ( D I G )]を⾏いました。
 1 ⽇目の講義では、始めに『気象と災害について』と題して釧路地⽅気象台⽥村次⻑より、気象台 から発表される防災情報について『災害からあなたを守る防災情報』等のお話をいただきました。
 次に、『防災と防犯について』と題して北海道警察釧路⽅⾯本部奥村災害担当統括官より、昨今話 題になっております、防犯と防災の協⼒による「地域の安⼼安全なまちづくり」等について、災害時 での体験談を交えてお話いただきました。
 次に、『⼟砂災害防⽌法に基づく区域指定について』と題し て帯広⼟⽊現業所鶴⽥防災係⻑より「⼟砂災害の形態」や「⼟ 砂災害の事例」等についてお話をいただきました。
 1 ⽇目の最後として『⼤規模災害に備えて』と題し、「地 域の防災意識を⾼めるためには」・「地域における防災対 策」・「⾃主防災活動のあり⽅」の三つのテーマにより、各グ ループにおいて活発な討議を⾏いました。
 討議では様々な意⾒があることや、組織設置者と未設置者での 考え⽅の相違や同じ悩み等を抱えていることがわかりました。
 2 ⽇目は、始めに『⾃主防災組織の現状と課題』と題して北海道総務部危機対策室防災消防課地紙 主幹より、道内の⾃主防災組織の現状や各家庭・地域での簡単に出来る備蓄⽅法等について説明しまし た。
 次に、『図上演習( D I G )』について、北海道教育⼤学函館校佐々⽊助教授より、午前中に講 義をいただき、午後より実際に地図上に様々な情報( 想定) を書き込み、その情報(想定) に対する 対応⽅法等についてグループ内で検討しました。
 この2 ⽇間の研修会で習得された知識や技能は、参加された⽅たちによって、その地域における⾃ 主防災組織活性化のために活躍できる⼈材の育成と組織づくりに⼤きな⼒になるものと思います。


【1⽇目】 27⽇(⽊)

時 間内 容 等講 師 等
10:00 〜15分 開講式
10:15 〜10:4530分オリエンテーション
10:45 〜11:4530分講義
『気象と災害について』
釧路地⽅気象台
⽥村 憲次 次⻑
12:00 〜13:0060分昼⾷
13:00 〜14:0060分講義 『防災と防犯について』 北海道警察釧路⽅⾯本部
奥村 耕治 災害担当統括官
14:00 〜14:5050分講義
『⼟砂災害防⽌法に基づく区域指定について』
帯広⼟⽊現業所
鶴⽥ 則夫 防災係⻑
14:50 〜15:0010分休憩
15:00 〜16:2080分グループ討議
『⼤規模災害に備えて』
◎討議テーマ
(1)「地域の防災意識を⾼めるためには」
(2)「地域における防災対策」
(3)「⾃主防災活動のあり⽅」
16:20 〜16:3010分休憩
16:30 〜17:3060分グループ討議発表
18:00 〜19:0060分⼣⾷
19:00 〜22:00180分⾃由時間
22:00就寝

【2⽇目】 28⽇(⾦)

時 間内 容 等講 師 等
7:00 〜 8:0060分朝⾷
9:00 〜10:0060分講義
『⾃主防災組織の現状と課題』
北海道総務部危機対策室
地紙 昭 防災消防課 主幹
10:00 〜10:1010分休憩
10:10 〜12:00110分講義
『図上演習(DIG)』
北海道教育⼤学函館校
佐々⽊ 貴⼦ 助教授
12:00 〜13:0060分昼⾷
13:00 〜15:00120分図上演習
『図上演習(DIG)』
北海道教育⼤学函館校
佐々⽊ 貴⼦ 助教授
15:00 〜15:055分休憩
15:05 〜15:3025分閉講式 修了証授与
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